社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問41 ((択一式)健康保険法 問1)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問41((択一式)健康保険法 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 健康保険組合は、議決機関として組合会が置かれている。組合会議員の定数は偶数で、その半数は設立事業所の事業主及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。組合会議員の任期は5年とし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。
  • 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したときは、出産した日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。
  • 日本年金機構の理事長は、収納職員が交替するときは、年金事務所ごとに機構の職員のうちから検査員を命じて、当該収納職員の帳簿金庫を検査させなければならない。また、前任の収納職員は、交替の日をもって、その月分の保険料等収納簿の締切りをし、健康保険法の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならない。
  • 日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき又は該当することになったときは、5日以内に、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。なお、介護保険適用除外に該当、非該当の届出は、当該申請と同時に行うものとされている。
  • 日雇拠出金の規定により日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額とする。ただし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算日雇拠出金の額からその超える額を控除して得た額とするものとし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算日雇拠出金の額にその満たない額を加算して得た額とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

健康保険法の問題です。
本問は比較的難しいと思われます。
数字の入れ替え等に注意してチャレンジしてみましょう。

選択肢1. 健康保険組合は、議決機関として組合会が置かれている。組合会議員の定数は偶数で、その半数は設立事業所の事業主及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。組合会議員の任期は5年とし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。

誤りの肢です。
組合会議員の任期は5年ではありません。
「組合会議員の任期は、三年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。
ただし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。」
(健康保険法施行令第6条)
とある通り、3年を超えない範囲で定められます。


尚、それ以外の記載は正しいです。
(健康保険法第18条第3項)
どっちかといえば前段の方が問われやすいポイントかと思いますので、迷う肢かもしれません。

選択肢2. 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したときは、出産した日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

誤りの肢です。
5年ではなく2年です。
保険給付を受ける権利の時効は2年間とされています。(健康保険法第193条)
尚、それ以外の記載は正しいです。(健康保険法第106条)

これは間違えないでおきたいところです。

選択肢3. 日本年金機構の理事長は、収納職員が交替するときは、年金事務所ごとに機構の職員のうちから検査員を命じて、当該収納職員の帳簿金庫を検査させなければならない。また、前任の収納職員は、交替の日をもって、その月分の保険料等収納簿の締切りをし、健康保険法の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならない。

誤りの肢です。
交替の日ではなく前日です。
「収納職員が交替するときは、前任の収納職員は、交替の日の前日をもって、その月分の保険料等収納簿の締切りをし、前条の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならない。」
(健康保険法施行規則第158条の27)


それ以外の記載は正しいです。
(健康保険法施行規則第158条の26)
これはさすがにマイナーすぎる論点かと思います。
わからなくても仕方ないような問題です。

選択肢4. 日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき又は該当することになったときは、5日以内に、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。なお、介護保険適用除外に該当、非該当の届出は、当該申請と同時に行うものとされている。

誤りの肢です。
「5日以内に」ではなく「直ちに」です。
「日雇特例被保険者は、介護保険第二号被保険者に該当しなくなったときは、直ちに、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。」
(健康保険法施行規則第116条)


尚、「直ちに」とは一切の遅延が許されないという意味です。
「速やかに」とあれば急いで、という感じで「遅滞なく」であればできるだけ早く、という感じでしょうか。
いずれも急かす表現なのは間違いないでしょうが、即時性が違ってきます。
どのくらいの余裕があるのかイメージしながら理解すると覚えやすいかもしれません。

選択肢5. 日雇拠出金の規定により日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額とする。ただし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算日雇拠出金の額からその超える額を控除して得た額とするものとし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算日雇拠出金の額にその満たない額を加算して得た額とする。

記載の通りであり正解です。
健康保険法第173条第1項にて日雇関係組合から拠出金を徴収する旨の定めがあり、第174条に本肢の内容が規定されています。
「前条第一項の規定により日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額とする。ただし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算日雇拠出金の額からその超える額を控除して得た額とするものとし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算日雇拠出金の額にその満たない額を加算して得た額とする。」
(健康保険法第174条)


拠出金は似たような用語が多いので集中して学習しておきましょう。

まとめ

本問は難問かと思います。
ただでさえ論点が多いのに細かいところまで問われるのが社労士試験の特徴です。
重要なところをしっかりカバーしておき、全部の肢がわからなくても解答できるようにしておきましょう。
尚、単純化して覚えるのも有効です。
例えば「被保険者の資格を喪失した〜受けることができる。」の選択肢で問われている時効ですが、ざっくり覚えるのであれば、
1.労災保険/国民年金/厚生年金の「前払一時金」「死亡一時金」以外の年金と一時金は5年
2.労災保険/国民年金/厚生年金の年金と一時金以外、「前払一時金」「死亡一時金」、雇用保険/健康保険は2年と理解しておいて試験対策上はよろしいかと思います。

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02

健康保険法について規定の理解などを幅広く問われる正誤問題です。

選択肢1. 健康保険組合は、議決機関として組合会が置かれている。組合会議員の定数は偶数で、その半数は設立事業所の事業主及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。組合会議員の任期は5年とし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。

誤りです。
組合会議員の任期は、3年を超えない範囲内で規約で定める期間とされています。

補欠の組合会議員の任期は、本肢のとおり前任者の残任期間となります。

選択肢2. 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したときは、出産した日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

誤りです。
健康保険の保険給付を受ける権利は、原則として2年で時効により消滅します。

したがって、5年とする本肢は誤りです。

選択肢3. 日本年金機構の理事長は、収納職員が交替するときは、年金事務所ごとに機構の職員のうちから検査員を命じて、当該収納職員の帳簿金庫を検査させなければならない。また、前任の収納職員は、交替の日をもって、その月分の保険料等収納簿の締切りをし、健康保険法の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならない。

誤りです。
前段の「収納職員が交替するとき、検査員を命じて帳簿金庫を検査させる」という部分は正しいです。

しかし、前任の収納職員が保険料等収納簿を締め切るのは、本肢の 「交替の日をもって」 ではなく、「交替の日の前日をもって」 が正しいです。

選択肢4. 日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき又は該当することになったときは、5日以内に、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。なお、介護保険適用除外に該当、非該当の届出は、当該申請と同時に行うものとされている。

誤りです。
日雇特例被保険者が、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき、又は該当することになったときには、日雇特例被保険者手帳の交換が必要になります。

直ちに、厚生労働大臣又は指定市町村長に手帳を提出して交換を申請するものとされており、本肢の「5日以内に」は誤りです。

なお、介護保険適用除外に該当・非該当となる届出を同時に行う点は正しいです。

選択肢5. 日雇拠出金の規定により日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額とする。ただし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算日雇拠出金の額からその超える額を控除して得た額とするものとし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算日雇拠出金の額にその満たない額を加算して得た額とする。

正しいです。
日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額を基本とし、前年度の概算額と確定額に過不足があれば、当年度の概算額から控除又は加算して精算します。

まとめ

本問はやや難〜難です。

5つの選択肢のうち2つは組合会議員の任期や出産育児一時金の支給の時効は基本論点の数字入替えですが、他の3の選択肢は細かい事務手続や日雇拠出金の条文知識と問うもので、通常学習では後回しになりやすい雑則・日雇関係からの出題です。

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03

健康保険法とは、被保険者について業務中以外の病気やケガが発生した場合に、保険給付をおこなう健康保険制度のことです。

対象者は企業に雇用される従業員とその家族で、これらの者が亡くなった場合や出産した場合にも適用されます。

選択肢1. 健康保険組合は、議決機関として組合会が置かれている。組合会議員の定数は偶数で、その半数は設立事業所の事業主及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。組合会議員の任期は5年とし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。

誤った選択肢です。

 

健康保険法施行令第6条は、「組合会議員の任期は、3年を超えない範囲内で規約で定める期間とする。

ただし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。」と定めています。

 

したがって、組合会議員の任期は3年を超えない範囲内で定められるため、選択肢は「5年」としている点で誤りです。

選択肢2. 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したときは、出産した日の翌日から起算して5年を経過する日までの間、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

誤った選択肢です。

 

健康保険法第193条1項は、以下のとおり保険料や保険給付に関する権利の時効について定めています。

 

保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

以上のとおり、時効は2年です。

選択肢は「起算して5年を経過する日までの間」としている点で誤りです。

選択肢3. 日本年金機構の理事長は、収納職員が交替するときは、年金事務所ごとに機構の職員のうちから検査員を命じて、当該収納職員の帳簿金庫を検査させなければならない。また、前任の収納職員は、交替の日をもって、その月分の保険料等収納簿の締切りをし、健康保険法の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならない。

誤った選択肢です。

 

日本年金機構の理事長は、収納職員が交替するに当たっては、その職務の公正を担保するため、当該収納職員の帳簿金庫を検査させなければならず、またその月分の保険料等収納簿の締切りをし、健康保険法の規定による検査を受けた上、引継ぎの年月日を記入し、後任の収納職員とともに記名して認印を押さなければならないとされています。

この点は選択肢のとおりです。

 

他方で、交替の日においては新規の収納職員が任務に当たりますので、上記の検査は「交替の日の前日」までに行わなければなりません。

 

したがって、選択肢は「交替の日をもって」としている点で誤りです。

選択肢4. 日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったとき又は該当することになったときは、5日以内に、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。なお、介護保険適用除外に該当、非該当の届出は、当該申請と同時に行うものとされている。

誤った選択肢です。

 

健康保険法施行規則第116条第1項前段は、以下のとおり定めています。

日雇特例被保険者は、介護保険第二号被保険者に該当しなくなったときは、直ちに、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならない。

 

日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当するかどうかによって、納める保険料が異なります。

そのため、65歳になるなどして介護保険第2号被保険者でなくなった場合は、介護保険料を含まない正しい保険料で処理できるよう、日雇特例被保険者手帳を交換する必要があります。

したがって、「介護保険第二号被保険者に該当しなくなったときは」「直ちに」その交換を申請しなければならないとされます。

 

選択肢は「5日以内に」としている点で誤りです。

選択肢5. 日雇拠出金の規定により日雇関係組合から徴収する日雇拠出金の額は、当該年度の概算日雇拠出金の額とする。ただし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算日雇拠出金の額からその超える額を控除して得た額とするものとし、前年度の概算日雇拠出金の額が前年度の確定日雇拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算日雇拠出金の額にその満たない額を加算して得た額とする。

正しい内容の選択肢です。

日雇拠出金とは、日雇労働者の健康保険事業に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣が、健康保険組合(日雇関係組合)から毎年度徴収する拠出金のことを言います。

この額は、当該年度の概算日雇拠出金の額を基本とし、前年度の概算額と確定額に過不足があれば、当年度の概算額から控除又は加算して精算します。

 

したがって、選択肢の内容のとおりです。

まとめ

かなり細かい問題で難しかったかと思いますが、比較的条文からの出題も多い分野です。

健康保険法の勉強は時間をとって、条文と照らし合わせながら、またその趣旨も確認しながら、単なる暗記にならないように理解して勉強していくことをおすすめします。

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