社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問3 ((択一式)労働基準法及び労働安全衛生法 問3)
問題文
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問3((択一式)労働基準法及び労働安全衛生法 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
- 労働基準法第14条第1項第2号は、満60歳以上である労働者との労働契約(同条同項第1号に掲げる労働契約を除く。)は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、5年を超える期間について締結してはならないと定めているが、満60歳以上であるかどうかは当該労働契約締結時の年齢で判断される。
- 労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条同項には使用者とも労働者とも規定されていないことから、使用者と労働者の双方に罰則が適用される。
- 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができるにとどまり、明示されたとおりの労働条件の履行を使用者に要求することはできない。
- 事業主が同一人でないX社とY社に使用される労働者が、X社の業務により負傷し、その療養のために休業する期間及びその後30日間については、X社もY社も当該労働者を解雇してはならない。
- 事業主が犯した経済法令違反を原因として購入した諸機械、資材等を没収され、事業の継続が不可能となったときは、労働基準法第20条第1項にいう「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」に該当することから、当該事業主が、これを理由として労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも30日前にその予告をしなければならない等の同条同項に定める解雇の予告を行う必要はない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
労働契約は細かな論点が多いですが、主要な論点を確実にカバーできればある程度選択肢を絞り込むことも可能です。
また、労働者として働いた経験のある方が殆どでしょうから、一般常識的な感覚や自身の経験も解答の一助になるかと思います。
記載の通りです。
満60歳以上である労働者との労働契約については契約期間の上限が緩和されますが、満60歳以上の判断は契約締結時です。
併せて、通常は3年が上限であること。
1.満60歳以上
2.専門的な知識、技術又は経験であって高度のものを有する労働者
(上記の知識、技術、経験と関係ない労働契約の場合は除く。)
上記いずれかに該当する場合は5年。
一定の事業の完了に必要な期間を定めるものの場合は上限がないことも確認しておきましょう。
誤りの肢です。
労働基準法では労働者が罰せられることは基本的にありません。
尚、法定の上限を超える期間を超えて契約した場合は3年または5年に短縮されます。
誤りの肢です。
労働契約であっても「契約」であり、定められた内容を履行する義務を負います。
よって、事実と相違している場合当然に明示された内容の履行を請求できます。
尚、即時に労働契約を解除することができるという点は正しく、就業の為に住居を変更した労働者が解除の日から14日以内に帰郷する場合は使用者はその旅費を負担しなければなりません。
細かい知識が問われることもあるので併せて確認しておきましょう。
誤りの肢です。
「使用者は、労働者が業務上負傷し、療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない」という条文を勉強すると一見正しそうに見えますが、Y社からすると関係ない場所で発生した受傷であり、業務上負傷したとは言えません。
産前産後の休業期間にも同様の規定がありますが、こちらはそもそも業務上云々の話ではありませんので、X・Y社両方とも解雇制限の対象となります。
尚、関連知識として契約期間満了により当然に労働関係が終了する場合は「解雇」ではありませんので労働者が退職することになっても問題がないことも抑えておきましょう。
誤りの肢です。
やむを得ない事由というのは不可抗力であったり、使用者が解雇回避のために努力したものの結果が得られなかったなど客観的にみて仕方ないと思われるものと捉えると理解しやすいです。
法令違反が原因というのは明らかに事業主の責任であり、事業の継続が不可能になったことは自業自得ですのでやむを得ない事由とはとても言えません。
正解肢の1について、年齢を判断するタイミングまでカバーしていた受験生はほぼいなかったと思います。
しかしながら2、3、4、5は多少曖昧な知識でも感覚的に誤りだとわかりやすいので、消去法で絞り込むことは容易な問題です。
参考になった数38
この解説の修正を提案する
02
労働契約の期間や解雇制限を問う問題です。
細かい論点や学習しているテキストに記載されていない部分もあり、法律的なセンスで判断することが求められています。
正しいです。
まず、満60歳以上の労働者は3年を超える期間ではなく、5年を超える期間について締結してはならないということを理解できているかが論点の1つです。
いつの時点の年齢であるかを問う細かい論点ですが、労働契約締結時に満60歳以上であるか否かが判断されるため、本肢は正しいです。
誤りです。
契約当事者には労働者も含まれますが、労働基準法の趣旨から使用者のみに罰則が適用されます。
誤りです。
労働者としては、明示された労働条件のとおりに履行することを求めることができます。
また、使用者が求めに応じない場合には、債務不履行を理由として損害賠償請求をすることもできます。
社会通念として、相手が約束を守っていないなら、即時契約を解除するよりも前に「話が違います。約束したとおりにしてください」というのが普通だということです。
誤りです。
労働基準法労基法19条1項では、「使用者は、労働者が業務上負傷し、療養のために休業する期間およびその後30日間は解雇してはならない」と定めています。
ここでの「業務上負傷」はその使用者の業務による負傷を指すことになります。
負傷したのはX社の業務上でありますので、労働基準法第19条による解雇制限がかかるのはX社のみであり、Y社には適用されません。
Y社が解雇するとしても労働契約補法第16条の「解雇権濫用」に当たる可能性があり、労働基準法第19条の絶対的な解雇禁止がY社にまで及ぶわけではないということになりますので、誤りとなります。
誤りです。
経済法令違反が原因となって事業の継続が不可能となることは、「やむを得ない事由」にはなりません。
労働基準法第20条では、「天変事変その他やむを得ない事由」とされており、事業主にとって不可抗力なことであれば該当しますが、法令違反は基本的にそのような事由として認められることはありません。
5つの選択肢の中で、誤りであることを判断したうえで相対的に正しい解答が導き出される問題です。
正しい選択肢の判断が難しいですが、他の選択肢が誤りと判断することで絞ることができます。
参考になった数15
この解説の修正を提案する
03
労働契約法第6条は、「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」と定めています。
労働契約は使用者と労働者間の合意ですが、立場が弱いとされる労働者を守るため、様々な定めがなされています。
正しい選択肢です。
まず押さえておくべきは、労働契約の期間は、①期間の定めのないもの、②一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの(プロジェクト型といわれるもの)を除き、原則として上限3年(第14条第1項)と定められています。
もっとも、満60歳以上である労働者については、高齢者の雇用機会の確保の観点から、「5年」に延長されています。
そして「満60歳以上であるかどうか」は、当該労働契約締結時の年齢で判断されます。
したがって、正しい選択肢です。
誤った選択肢です。
労働基準法第14条第1項は、労働契約の期間について、①期間の定めのないもの、②一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの(プロジェクト型といわれるもの)を除き、原則として上限3年と定めています。
この期間を超えて締結した場合には、3年(又は一定のものについて5年)に短縮されます。
そして、労働契約の上限期間を超えた労働契約を締結した場合の罰則は、「使用者」に対してのみ科されます。
労働基準法の趣旨は「使用者による不当な搾取や強制労働から、経済的に弱い立場にある労働者を保護し、労働者の権利と生活を守ること」であることを頭にいれておけば、労働者は守られる立場であって、罰則を受けるのは使用者である、ということがすんなりと理解できるかと思います。
よって、誤った選択肢です。
誤った選択肢です。
まず、労働契約の締結に際しては、労働条件を明示しなければなりません。
これには必要的(絶対的)明示事項と、相対的明示事項(定めをした場合には明示しなければならないというもの)があります。
絶対的明示事項は以下のとおりです。
①契約期間に関すること ②契約更新の基準に関すること ③就業場所・従事する業務に関すること ④始業・終業時刻・休憩・休日に関すること ⑤賃金の決定方法・支払時期に関すること ⑥退職に関すること ⑦無期転換の申し込みに関すること
次に、明示された労働条件が事実と相違している場合には、労働契約の即時解雇に加えて、明示されたとおりの労働条件の履行を使用者に要求することができます。
これは、契約書に明示して双方の合意事項となった以上、使用者は債務の履行として、明示されたとおりの労働条件を履行する義務を負うからです。
したがって、誤った選択肢です。
誤った選択肢です。
まず、労働基準法19条は、労働者を守るため、以下のとおり解雇を制限しています。
①業務上の負傷または疾病により療養のため休業する期間およびその後30日間
②産前産後休業(労働基準法第65条に基づく産前6週間+産後8週間の休業)の期間およびその後30日間
次に、上記①の「業務上」とは、「当該使用者における業務により負傷し、又は疾病にかかった場合を意味するものであり、他の使用者における業務により負傷し、又は疾病にかかった場合は、ここでいう「業務上」に該当しない」とされます。
つまり、本問においては、X社とY者に使用されている労働者がX社の「業務」により負傷した場合
・X社においては「業務上の負傷」といえるので、解雇制限の適用があります。
・Y社においては、他の使用者であるX社における業務による負傷であり、「業務上の負傷」には該当しません。
よって、選択肢は「X社もY社も当該労働者を解雇してはならない」としている点で誤りです。
誤った選択肢です。
原則として、労働者を解雇しようとする場合には、①「客観的に合理的な解雇の理由」と②「社会通念上の相当性」が必要です。
加えて、原則30日前の解雇予告または30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要です。
もっとも、労働基準法20条第1項ただし書は、以下の場合においては、解雇の必要性・合理性・相当性が認められることから、30日前の解雇予告又は解雇予告手当の支払いをすることなく、従業員を解雇することを認めています。
①天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合 又は
②労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合
ここでいう「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」とは、例えば地震、火災、水害などの災害によって事業の全部または大部分が物理的に破壊され、どれほどの努力をもってしても事業を続けられない状態を言うとされます。
本問において、購入した諸機械、資材等を没収され事業の継続が不可能となった原因は、事業主が犯した経済法令違反に起因します。
このことから、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」には当たりません。
よって、誤った選択肢です。
労働契約法に関する問題は頻出で、絶対に抑えて得点源にしたいところです。
趣旨を覚えてしまえば、見慣れない問題や細かいことを聞いてくる問題であっても考えて対応することができます。
社労士の勉強は細かいことをたくさん聞かれますが、丸暗記ではなく、「この法律は何を目的としたものなのか(趣旨)」「誰を保護したいのか」といった根拠を頭にいれるようにすると、知識の定着が図れます。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問2)へ
第57回(令和7年度) 問題一覧
次の問題(問4)へ