社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問5 ((択一式)労働基準法及び労働安全衛生法 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問5((択一式)労働基準法及び労働安全衛生法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

労働基準法第36条に定める時間外・休日労働協定(以下本問において「協定」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 労働者数が、本社、X支店及びY支店の合計で180人の企業において、100人の労働者で組織する労働組合があるとき、本社、X支店及びY支店のいずれの事業場においても労働者側の協定当事者は、それぞれの事業場の労働組合員数にかかわらず、その労働組合となる。
  • 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」が、協定締結後に死亡した場合であっても、当該協定の効力は失われない。
  • 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、労働基準法第41条第2号の「管理監督者」、同条第3号の「監視、断続的労働従事者で行政官庁の許可を受けた者」、満18歳に満たない者などのような、時間外労働又は休日労働を考える余地のない者を含む全ての労働者と解すべきであるとされている。
  • 協定当事者である使用者は、労働基準法第10条の「使用者」であるから、各事業場の長ではなく、株式会社の社長自らが協定当事者となることも可能である。
  • 法人の役員を含む全従業員により構成されており、その目的・活動内容に照らし労働組合とは認められない親睦団体の代表者が自動的に協定を締結したにすぎない場合、当該代表者は、「労働者の過半数を代表する者」に当たらないとされている。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

いわゆる36協定と言われる頻出のジャンルです。

迷う選択肢もありますが、押さえるべき論点をしっかり学習しましょう。

選択肢1. 労働者数が、本社、X支店及びY支店の合計で180人の企業において、100人の労働者で組織する労働組合があるとき、本社、X支店及びY支店のいずれの事業場においても労働者側の協定当事者は、それぞれの事業場の労働組合員数にかかわらず、その労働組合となる。

誤りです。

協定は事業場単位で締結し、当該事業場を管轄する所轄労働基準監督署長に届け出ることが原則です。

一方、以下の3つの要件を満たす場合には、各事業場の協定を一括して届け出ることができます。

(1)各事業場の過半数で組織する労働組合が本社と同一であること

(2)本社と協定の内容が同一であること

(3)本社の所轄労働基準監督署長に対する届出の際には、本社を含む事業場数に対応した部数の協定を提出すること

本肢では、労働者数が本社、X支店及びY支店の合計に対しては過半数ではあるものの、各事業場において過半数であることは明確にはわからないため誤りとなります。

選択肢2. 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」が、協定締結後に死亡した場合であっても、当該協定の効力は失われない。

正しいです。

協定締結時点の要件を満たしており、その状態を有効期間中ずっと維持し続けなければならないという根拠は特にありませんので本肢は正しいです。

選択肢3. 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、労働基準法第41条第2号の「管理監督者」、同条第3号の「監視、断続的労働従事者で行政官庁の許可を受けた者」、満18歳に満たない者などのような、時間外労働又は休日労働を考える余地のない者を含む全ての労働者と解すべきであるとされている。

正しいです。

労働基準法第9条で、労働者とは「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とされています。本肢の第41条第2号の「管理監督者」、同条第3号の「監視、断続的労働従事者で行政官庁の許可を受けた者」、満18歳に満たない者などのような、時間外労働又は休日労働を考える余地のない者についても、労働者に含まれると整理されています。

また、労働基準法第41条の「管理監督者」や「監視・断続的労働従事者」は、労働時間・休憩・休日の規制の適用除外に過ぎないものであり、「労働者でない」という趣旨ではありませんので、本肢は正しいです。

選択肢4. 協定当事者である使用者は、労働基準法第10条の「使用者」であるから、各事業場の長ではなく、株式会社の社長自らが協定当事者となることも可能である。

正しいです。

「使用者」とは事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべてのものであり、株式会社の社長が自ら協定当事者となることも可能です。

選択肢5. 法人の役員を含む全従業員により構成されており、その目的・活動内容に照らし労働組合とは認められない親睦団体の代表者が自動的に協定を締結したにすぎない場合、当該代表者は、「労働者の過半数を代表する者」に当たらないとされている。

正しいです。

親睦団体の代表者は「労働者の過半数を代表する者」には該当しません。

まとめ

選択肢1について「各事業場の過半数で組織する労働組合が本社と同一であること」の論点をしっかり押さえておけば、解答に導ける問題です。

他の選択肢に惑わされないようにしましょう。

参考になった数11

02

36協定は頻出です。
問われる点もそう多くないので確実に得点できるようにしましょう。

選択肢1. 労働者数が、本社、X支店及びY支店の合計で180人の企業において、100人の労働者で組織する労働組合があるとき、本社、X支店及びY支店のいずれの事業場においても労働者側の協定当事者は、それぞれの事業場の労働組合員数にかかわらず、その労働組合となる。

誤りの肢であり正解です。
36協定も含む労使協定は原則事業所ごとに締結が必要であるため、事業所ごとに協定当事者が必要となるところ、
この協定当事者は事業所の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、事業所の過半数で組織する労働組合がない場合は一定の要件のもと選ばれた労働者代表となります。
よって、全社において過半数労働組合であっても、個々の事業場において過半数で組織された労働組合でない場合は協定当事者とはなりません。
この肢においては各事業所の状況が不明ですので必ずしも正しいとはいえません。

選択肢2. 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」が、協定締結後に死亡した場合であっても、当該協定の効力は失われない。

記載の通りです。
有効期間中は従業員代表者に異動等があっても協定の効力には影響しません。

選択肢3. 協定当事者である「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、労働基準法第41条第2号の「管理監督者」、同条第3号の「監視、断続的労働従事者で行政官庁の許可を受けた者」、満18歳に満たない者などのような、時間外労働又は休日労働を考える余地のない者を含む全ての労働者と解すべきであるとされている。

記載の通りです。
労働基準法第9条では「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」と定義されており、36条でも「労働者」となっている以上時間外労働又は休日労働を考える余地がないからといってこの規定においてのみ除外されることはありません。
管理監督者が労働者の過半数を代表する者にはなれないことと混同しないようにしましょう。

選択肢4. 協定当事者である使用者は、労働基準法第10条の「使用者」であるから、各事業場の長ではなく、株式会社の社長自らが協定当事者となることも可能である。

記載の通りです。
労働基準法第10条では「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」となっており、株式会社の社長はどの事業場においても使用者といえます。

選択肢5. 法人の役員を含む全従業員により構成されており、その目的・活動内容に照らし労働組合とは認められない親睦団体の代表者が自動的に協定を締結したにすぎない場合、当該代表者は、「労働者の過半数を代表する者」に当たらないとされている。

記載の通りです。
労働基準法施行規則第6条の2に労働者の過半数を代表する者の要件が規定されています。
一 法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
二 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であつて、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。

親睦団体の代表であるというだけで該当しないことは明白です。
 

まとめ

36協定関係の問題は過去問をしっかりやっておけば十分得点できる可能性が高いです。

労働基準法は得点源にしたい法律ですので、このような頻出論点は確実にカバーしておきましょう。

 

参考になった数1