社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問15 ((択一式)労働者災害補償保険法 問5)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問15((択一式)労働者災害補償保険法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

介護補償給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 療養補償給付を受ける権利を有する労働者は、病院又は診療所に入院し、介護を受けている間、介護補償給付を受けることができる。
  • 障害補償年金を受ける権利を有する労働者は、障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設に入所し、同法同条第7項が定める生活介護を受けている間、併せて介護補償給付を受けることができる。
  • 障害補償一時金の支給を受けた労働者が、加齢により介護を要する状態となった場合、介護補償給付を受けることができる。
  • 業務災害により両眼を失明し、障害等級第1級の障害補償年金を受ける労働者は、他に障害を負っているか否かにかかわらず、常時介護を要する障害の程度にあるとして、介護補償給付を受けることができる。
  • 介護補償給付の額は、その月において、介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合であって、親族による介護を受けた日があるときは、障害の程度に応じて定額とされている。

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この過去問の解説 (1件)

01

介護補償給付に関しての問題です。
給付に関しては種類が多く、内容も似たところが多いので労災保険法では重点的に学習すべき論点です。
尚、4はやや難問ですが、1~3までと5は基本的な内容なので解答は容易です。
1肢だけ難しい問題も社労士試験は多いですが、他の肢がわかりさえすれば個数問題でない限り解けますので諦めずチャレンジしましょう。

選択肢1. 療養補償給付を受ける権利を有する労働者は、病院又は診療所に入院し、介護を受けている間、介護補償給付を受けることができる。

誤りの肢です。
労災保険法第12条の8に業務災害に関する保険給付について定められています。
介護補償給付については、

「介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であつて厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。」

と規定があり、以下の場合とは下記の3つです。


一 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)に入所している間(同条第七項に規定する生活介護(以下「生活介護」という。)を受けている場合に限る。)
二 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間
三 病院又は診療所に入院している間


本肢はこの「三」に該当しますので、誤りです。

選択肢2. 障害補償年金を受ける権利を有する労働者は、障害者総合支援法第5条第11項に規定する障害者支援施設に入所し、同法同条第7項が定める生活介護を受けている間、併せて介護補償給付を受けることができる。

誤りの肢です。
「療養補償給付を受ける権利を〜受けることができる。」の解説に記載の通り、

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)に入所している間(同条第七項に規定する生活介護(以下「生活介護」という。)を受けている場合に限る。)」

は除かれます。
尚、そこまで細かく問われる論点ではないと思いますが、「生活介護を受けている場合に限る」という文言にも余裕があれば注意しましょう。

選択肢3. 障害補償一時金の支給を受けた労働者が、加齢により介護を要する状態となった場合、介護補償給付を受けることができる。

誤りの肢です。
「療養補償給付を受ける権利を〜受けることができる。」の解説の通り、

「介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であつて厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。」

と規定されています。
障害補償一時金は含まれておらず、加齢によって介護が必要になったことも含まれていません。

選択肢4. 業務災害により両眼を失明し、障害等級第1級の障害補償年金を受ける労働者は、他に障害を負っているか否かにかかわらず、常時介護を要する障害の程度にあるとして、介護補償給付を受けることができる。

誤りの肢です。
労災保険法第12条の8で厚生労働省令で定める程度の障害と規定されていますが、労災保険法第18条の3の3で別表第三のとおりとされています。
こちらは常時介護を要する状態と随時介護を要する状態に分けられており、常時介護を要する状態の場合は、


一 神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの(別表第一第一級の項身体障害の欄第三号に規定する身体障害をいう。)又は神経系統の機能若しくは精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの(別表第二第一級の項障害の状態の欄第一号に規定する障害の状態をいう。)
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの(別表第一第一級の項身体障害の欄第四号に規定する身体障害をいう。)又は胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの(別表第二第一級の項障害の状態の欄第二号に規定する障害の状態をいう。)
三 別表第一に掲げる身体障害が二以上ある場合その他の場合であつて障害等級が第一級であるときにおける当該身体障害又は別表第二第一級の項障害の状態の欄第三号から第九号までのいずれかに該当する障害の状態(前二号に定めるものと同程度の介護を要する状態にあるものに限る。)


とされています。

長くなるので別表第一の引用は避けますが、両眼の失明は一、二には当たらず、三の場合も他に障害がないので該当しないことになります。

選択肢5. 介護補償給付の額は、その月において、介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合であって、親族による介護を受けた日があるときは、障害の程度に応じて定額とされている。

記載の通りです。
施行規則第18条の3の4にて介護補償給付の額が定められています。
「その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合であつて介護に要する費用として支出された費用の額が八万五千四百九十円に満たないとき又はその月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない場合であつて、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日があるとき。 八万五千四百九十円(支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された額が八万五千四百九十円に満たない場合にあつては、当該介護に要する費用として支出された額とする。)」
尚、本規定は最低保障の規定でもありますので、条文前段の通り、介護に支出した費用がこの金額に満たない場合もこの金額が支給されることになります。
また、介護を受け始めた最初の月は最低保障額の適用がない点も確認しておきましょう。

まとめ

「業務災害により〜受けることができる。」の選択肢について、ここまで細かく覚えておければよいですが、難問かと思います。
ここからは個人の感想ですので参考程度に聞いていただければと思います。

「他に障害を負っているか否かにかかわらず」の部分が誤りなのですが、こういう言い回しは怪しい傾向にあるので、どうしてもわからなければ最後の絞り込みの際、賭けてみるのも一つです。
「否かにかかわらず」以外にも「~としても」や「必ず~なければならない」なども怪しい言い回しだと思っています。

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