社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問18 ((択一式)労働者災害補償保険法 問8)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問18((択一式)労働者災害補償保険法 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
- 二以上の有期事業が一括されて一の事業として労働保険徴収法が適用される場合であって、労働保険徴収法施行規則第17条第3項で定める規模の事業のとき、同法第20条に規定するいわゆる有期事業のメリット制の適用対象とされる。
- 労働保険徴収法第7条の適用により一括有期事業とみなされた場合、概算保険料申告書、確定保険料申告書は当該一括有期事業に係る労働保険料の納付事務を取り扱う一の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないが、一括有期事業報告書は一括された事業ごとに作成し、各事業の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官にそれぞれ提出しなければならない。
- 労働保険徴収法第7条の適用による一括有期事業を開始したときには、初めに保険関係成立届を提出することとなるが、この届を一度提出しておけば、以後何年でもこの一括有期事業が継続している限り、当該一括有期事業に含まれる個々の事業については、その都度保険関係成立届を提出する必要はない。
- 労働保険徴収法第7条の適用により一括された個々の有期事業について、その後、事業の規模の変更等があった場合には、当初の一括の扱いとされず、新たに独立の有期事業として取り扱われる。
- 労働保険徴収法第7条の適用により一括有期事業とみなされるための要件として、立木の伐採の事業以外の事業にあっては請負金額の上限が定められているが、当該請負金額を計算するに当たって、事業主が注文者からその事業に使用する機械器具等の貸与を受けた場合には、厚生労働大臣が定める事業の種類に該当する事業を除き、当該機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く。)を請負代金の額(消費税等相当額を除く。)から控除することとされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
徴収法の問題です。
メリット制は数字がたくさん出てくるので注意が必要です。
また、事業の一括については条文を読み込むというより、よく問われている論点を中心に整理するのがお勧めです。
誤りの肢です。
有期事業の一括を受けた事業は継続事業として扱われます。
メリット制についても同様です。
大前提として覚えておきましょう。
誤りの肢です。
徴収法施行規則第34条
「第法第七条の規定により一の事業とみなされる事業についての事業主は、次の保険年度の六月一日から起算して四十日以内又は保険関係が消滅した日から起算して五十日以内に、次に掲げる事項を記載した報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。」
とある通り、報告書も同様の取扱いとなります。
記載の通りです。
徴収法第7条「二以上の事業が次の要件に該当する場合には、この法律の規定の適用については、その全部を一の事業とみなす。」
について、一括にあたりそもそも申請等を要せず、法律上当然に一括されます。
都度保険関係成立届の提出の必要はなくなります。
継続している限りこの扱いは変わりません。
誤りの肢です。
一括された個々の事業に事業規模の変更等があっても当初の一括の扱いによることになります。
尚、当初独立の有機事業として保険関係が成立した事業の事業規模の変更等があった場合も当初どおりの扱いとなり、一括の対象とはなりません。
「労働保険徴収法第7条〜を提出する必要はない。」の選択肢の内容とセットで覚えておきましょう。
誤りの肢です。
請負金額の計算については徴収法施行規則第13条に定めがあります。
「前条第一号の事業については、その事業の種類に従い、請負金額に別表第二に掲げる率を乗じて得た額を賃金総額とする。」
「2 次の各号に該当する場合には、前項の請負金額は、当該各号に定めるところにより計算した額とする。
一 事業主が注文者その他の者からその事業に使用する物の支給を受け、又は機械器具等の貸与を受けた場合には、支給された物の価額に相当する額(消費税等相当額を除く。)又は機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く。)を請負代金の額(消費税等相当額を除く。)に加算する。ただし、厚生労働大臣が定める事業の種類に該当する事業の事業主が注文者その他の者からその事業に使用する物で厚生労働大臣がその事業の種類ごとに定めるものの支給を受けた場合には、この限りでない。」
よって本肢にあるような機械器具等の貸与を受けた場合は請負金額に含めねばならず、控除してはいけません。
徴収法は選択式がなく、出題も少ないので手薄になりやすいですが、慣れれば得点源となります。
本問の内容も比較的定番の問題で解答も容易です。
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02
建設業などで行われている有期事業の一括の要件等に関する問題です。
誤りです。
一括有期事業は、原則として継続事業とみなされます。
それぞれの事業ごとの保険関係の成立及び消滅、労働保険料納付及び清算手続きが不要となり、保険料の申告・納付が保険年度単位で年度更新として行われることになります。
継続事業のメリット制が適用されます。
誤りです。
有期事業の一括は法律上当然に行われるので、一括有期事業を成立させるための申請等の手続は不要ですが、一括有期事業報告書の提出が義務付けられており、確定申告書の提出と併せて、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないとされています。
各事業の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官にそれぞれ提出するものではありません。
正しいです。
個々の事業の保険関係は一括事務所に一括されるため、その都度保険関係成立届を提出する必要はなくなります。
誤りです。
一括された個々の事業については、その後、事業の規模の変更等があった場合でも、あくまで当初の一括扱いによることとし、新たに独立の有期事業として取扱われません。
さらに補足すると、当初の独立の有期事業として保険関係が成立した事業は、その後、事業の規模の変更等があった場合でも、一括扱いの対象とはされません。
誤りです。
事業主が注文者からその事業に使用する機械器具等の貸与を受けた場合には、原則として、支給された物の価額に相当する額(消費税等相当額を除く)又は機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く)を請負代金の額(消費税等相当額を除く)に加算することとされています。
機械装置の組立て又は据え付け事業の事業主が注文者から当該組立てまたは据え付ける機械装置の支給を受けた場合には、当該機械装置の価額は請負代金の額(消費税等相当額を除く)に加算しません。
また、その機械装置の価額に相当する額(消費税等相当額を除く)が請負金額の額に含まれている場合には、支給された機械装置の価額に相当する額(消費税等相当額を除く)を請負代金の額(消費税等相当額を除く)から控除することとされています。
この場合と混同しないように注意してください。
「労働保険徴収法第7条の適用により〜控除することとされている。」の設問は、比較的細かい論点かと思いますが、基本的な学習ができていれば得点できる問題です。
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03
労働保険の保険料の徴収等に関する法律のうち、「二以上の有期事業が一括されて一の事業として労働保険徴収法が適用される場合」、すなわち、所謂「有期事業の一括」に関する問題です。
有期事業の一括とは、建設業や林業などの小規模な工事(概算保険料が160万円未満など)を複数行う場合に、法律上これらを一つの事業とみなして労災保険の手続きや保険料の申告・納付を行えるとすることで、事務負担を軽減する制度をいいます。
誤った選択肢です。
【有期事業のメリット制】とは、「一定期間における業務災害に関する給付の額と業務災害に係る保険料の額を、一定の範囲内で引き上げ又は引き下げる制度をいいます。
これに対して【継続事業のメリット制】とは、過去3年間に支払った労災保険料に対する「労災保険給付の支給額」の割合(メリット収支率)に応じて、次年度以降の労災保険料率を最大±40%の範囲で割引または割増する制度です。
これら2つは、変動対象が「継続事業は保険料率」であるのに対し、「有期事業(建設業など)は確定保険料の金額」である点で大きく異なりますので注意しましょう。
そして、有期事業の一括の適用を受けた事業については、【継続事業】として扱われ、「継続事業のメリット制」の適用対象となります。
したがって、「有期事業のメリット制の適用対象とされる」とする点で選択肢は誤りです。
誤った選択肢です。
労働保険徴収法第7条により、一括有期事業とみなされた場合、概算保険料申告書および確定保険料申告書は、一括有期事業に係る労働保険料の納付事務を取り扱う一の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官に提出します。
したがって、選択肢の前段は正しいです。
また、一括有期事業報告書については、一括された事業ごとに作成する必要はありますが、提出先は概算保険料申告書および確定保険料申告書と同様に、納付事務を取り扱う一の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官になります。
これは、一括有期事業制度は、複数の有期事業に関する労働保険の事務を一括して処理するための制度であるため、事務処理の便宜を考えて、提出先は「納付事務を取り扱う一の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官」とされたためです。
「書類は事業ごとに作るが、提出はまとめて1か所」と覚えておきましょう。
したがって、選択肢は「一括有期事業報告書は各事業の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官にそれぞれ提出しなければならない」
としている点で誤りです。
正しい選択肢です。
労働保険徴収法第7条の適用による一括有期事業を開始したときには、初めに保険関係成立届を提出する必要があります。
しかし、一度提出すれば、以後何年でもこの一括有期事業が継続している限り、当該一括有期事業に含まれる個々の事業については、その都度保険関係成立届を提出する必要はありません。
これは、有期事業の一括は、建設業や立木伐採業のように有期事業が次々に発生する業種について事務負担を軽減するための制度であるこるにもかかわらず、もし工事が始まるたびに保険関係成立届を提出しなければならないとすると、一括制度を設ける意味がなくなってしまいます。
そのため、最初に保険関係成立届を提出しておけば、以後の個々の事業は保険関係成立届を提出する必要はなく、一括有期事業報告書で管理するという仕組みにしているからです。
誤った選択肢です。
一括された個々の事業については、その後、事業の規模の変更等があった場合でも当初の一括の扱いとされたままであり、新たに独立の有期事業として取扱われません。
誤った選択肢です。
労働保険徴収法第7条の適用により一括有期事業とみなされるための要件として、それぞれの事業の規模が厚生労働省令で定める規模以下であることとされています。
厚生労働省令によれば、具体的に以下のとおり定められています。
(1)一工事の概算保険料が160万円未満であること かつ
(1-1)流木の伐採の事業にあっては素材の見込み生産量が1000立方メートル未満であること
(1ー2)建設の事業にあっては、請負金額が1億8千万円未満(消費税額を除く)であること。(平成27年4月1日から)
※ 平成27年3月31日以前に開始された工事については、1億9千万円未満(消費税額を含む)であること。
事業主が注文者からその事業に使用する機械器具等の貸与を受けた場合には、厚生労働大臣が定める事業の種類に該当する事業を除き、当該機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く。)を請負代金の額(消費税等相当額を除く。)に加算して要件を判断します。
この理由は、「工事の本来の規模」を正しく反映させ、保険料を公平に計算するためです。
建設業などの労災保険料は「請負代金 × 労務費率」で計算します。
もし機械を無料で借りたからといって請負代金を低く見積もると、自前で用意した業者に比べて保険料が不当に安くなってしまいます。
現場で働く労働者の数や事故のリスクが同じであれば、契約の形式に関わらず同等の保険料を負担すべきです。
そのため、貸与された機械の損料を加算することで、本来の工事規模(リスク)に見合った適正な保険料を算出するためです。
よって、選択肢は「控除することとされている。」としている点で誤りです。
徴収法はとっつきにくく細かい問題も多いですが、必ず出題される分野です。
何度も過去問を回して、しっかりと得点できるようにしておきましょう。
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