社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問28 ((択一式)雇用保険法 問8)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問28((択一式)雇用保険法 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 継続事業を営む事業主が、当該事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合、令和6年11月1日に保険関係が成立した事業について当該保険年度の概算保険料を延納することができる。
  • 令和7年8月1日に保険関係が成立した一括有期事業について、納付すべき当該保険年度の概算保険料の額が50万円のとき、事業主は当該概算保険料を延納することができない。
  • 一般保険料の算定基礎となる賃金総額の見込額を500万円として算定し納期限までに概算保険料を納付した後、賃金総額の見込額が1,200万円に増加し、増加後の賃金総額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料との差額が122,500円であるとき、事業主はその差額を所定の期限までに納付書を添えて納付しなければならない。
  • 事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったため、政府が納付すべき概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に対して令和7年8月20日に通知を発した場合、当該事業主の未納額の納期限は同年9月19日となる。
  • 政府が保険年度の中途で保険料率の改定を行い、雇用保険率が引き上げられた場合、事業主が既に概算保険料の延納を認められているとき、当該事業主は所轄都道府県労働局歳入徴収官が発する追加徴収の通知により指定された納期限までに延納の申請をすることで追加徴収される概算保険料についても延納することができ、その最初の期分の追加徴収される概算保険料の納期限は、当該通知を発した日が令和7年10月20日であった場合、同年11月19日となる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

徴収法からの出題です。
延納・概算保険料・認定決定などは頻出です。
確実に得点しておきたいところです。

選択肢1. 継続事業を営む事業主が、当該事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合、令和6年11月1日に保険関係が成立した事業について当該保険年度の概算保険料を延納することができる。

誤りの肢です。
当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立したものは延納できません。
(徴収法施行規則第27条)
尚、労働保険事務組合に委託しない場合でも同様です。
基礎中の基礎問題ですので間違えないようにしましょう。

選択肢2. 令和7年8月1日に保険関係が成立した一括有期事業について、納付すべき当該保険年度の概算保険料の額が50万円のとき、事業主は当該概算保険料を延納することができない。

誤りの肢です。
まず、本肢の事業は一括有期事業なので、継続事業と同様に扱われます。
そして延納の条件ですが、「継続事業を営む〜することができる。」の解説にあるとおり10月1日前に成立しており、かつ
1.概算保険料の額が40万円以上の場合
(労災保険又は雇用保険のどちらかのみ保険関係が成立している場合は20万円以上)
2.労働保険事務組合に処理を委託している場合

のいずれかを満たす事業です。(徴収法施行規則第27条)


本肢の事業は10月1日前に成立しており、かつ1を満たしますので延納できることになります。

選択肢3. 一般保険料の算定基礎となる賃金総額の見込額を500万円として算定し納期限までに概算保険料を納付した後、賃金総額の見込額が1,200万円に増加し、増加後の賃金総額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料との差額が122,500円であるとき、事業主はその差額を所定の期限までに納付書を添えて納付しなければならない。

誤りの肢です。
増加概算保険料の納付については、以下の条件を両方満たす必要があります。
1.増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の百分の二百を超え
2.増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が十三万円以上であること
(徴収法施行規則第25条)


本肢のケースでは1は満たしますが、2をみたしませんので増加概算保険料の納付の必要はありません。
 

選択肢4. 事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったため、政府が納付すべき概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に対して令和7年8月20日に通知を発した場合、当該事業主の未納額の納期限は同年9月19日となる。

誤りの肢です。
認定決定された概算保険料については通知を受けた日から15日以内に納付しなければなりません。
(徴収法第15条4項)


通知を受けた日の記載はありませんので万一郵便がかなり遅れて到着した場合は正しい記述になる可能性はありますが、あくまで可能性のお話なので正しいとは言えず、誤りという結論になります。
尚、前段の認定決定された概算保険料が延納できる下りは正しいです。

選択肢5. 政府が保険年度の中途で保険料率の改定を行い、雇用保険率が引き上げられた場合、事業主が既に概算保険料の延納を認められているとき、当該事業主は所轄都道府県労働局歳入徴収官が発する追加徴収の通知により指定された納期限までに延納の申請をすることで追加徴収される概算保険料についても延納することができ、その最初の期分の追加徴収される概算保険料の納期限は、当該通知を発した日が令和7年10月20日であった場合、同年11月19日となる。

記載の通りです。
まず前段ですが、保険料率の引き上げを行ったときは労働保険料は追加徴収され、この保険料についても延納が可能です。(徴収法第17条、第18条)
そして徴収法第17条に基づく概算保険料の追加徴収については通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限とします。(徴収法施行規則第26条)


本肢で通知を発した日は10月20日ですので、30日後は11月19日となります。
尚、「経過した日」は期間の末日の翌日を指します。
期間の末日を指す「経過”する”日」との違いに注意しましょう。

まとめ

かなり基礎的な問題です。
本問のような問い方以外にも細かい数字の変更などが予想されます。
似たような名前の用語が多いですが、数字に着目しながら進めていくと理解が深まります。

参考になった数14

02

主に延納の要件を論点とする問題です。

各要件の数値を覚えているかも問われています。

選択肢1. 継続事業を営む事業主が、当該事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合、令和6年11月1日に保険関係が成立した事業について当該保険年度の概算保険料を延納することができる。

誤りです。

継続事業において保険年度の中途に保険関係が成立した場合に、10月1日以後については延納することはできないとされています。

本肢は令和6年11月1日に保険関係が成立となっていますので、誤りです。

選択肢2. 令和7年8月1日に保険関係が成立した一括有期事業について、納付すべき当該保険年度の概算保険料の額が50万円のとき、事業主は当該概算保険料を延納することができない。

誤りです。

一括有期事業は、継続事業とみなれるため、有期事業(単独有期事業)の延納の要件(概算保険料の額が75万円以上であること等)は適用されません。

一括有期事業は二元適用事業であるので、当該保険年度の概算保険料の額が20万円以上の要件を満たせば延納することができます。

選択肢3. 一般保険料の算定基礎となる賃金総額の見込額を500万円として算定し納期限までに概算保険料を納付した後、賃金総額の見込額が1,200万円に増加し、増加後の賃金総額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料との差額が122,500円であるとき、事業主はその差額を所定の期限までに納付書を添えて納付しなければならない。

誤りです。

保険料算定基礎額の見込額が増加した場合、以下のいずれの要件にも該当するときは、事業主はその差額を増加概算保険料として納付しなければならないとされています。

 

①増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超えること

②増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であること

 

本肢では、保険料算定基礎額の見込額は500万円から1,200万円となり100分の200を超えていますが、概算保険料の差額は13万円に満たないため、増加概算保険料を納付しなければならないものではありません。

選択肢4. 事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったため、政府が納付すべき概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に対して令和7年8月20日に通知を発した場合、当該事業主の未納額の納期限は同年9月19日となる。

誤りです。

事業主が概算保険料申告書を提出しないときは、政府は労働保険料の額を決定し、事業主に納付書によって通知するものとなります。

納付期限はその通知を受けた日から15日以内とされています。

本肢では15日を超える30日としているため誤りとなります。

選択肢5. 政府が保険年度の中途で保険料率の改定を行い、雇用保険率が引き上げられた場合、事業主が既に概算保険料の延納を認められているとき、当該事業主は所轄都道府県労働局歳入徴収官が発する追加徴収の通知により指定された納期限までに延納の申請をすることで追加徴収される概算保険料についても延納することができ、その最初の期分の追加徴収される概算保険料の納期限は、当該通知を発した日が令和7年10月20日であった場合、同年11月19日となる。

正しいです。
政府が保険年度の中途で保険料率の改定を行い、雇用保険率が引き上げられた場合、事業主に対し労働保険料を追加徴収します。

当初の概算保険料の延納が認められている事業主に限り、通知により指定された納付期限までに延納を申請することにより追加徴収される概算保険料についても延納することができます。

納付期限は通知を発した日から起算して30日を経過し日(当日起算)となります。

まとめ

延納は社労士試験で頻出となる項目です。

しっかり理解して正解できるようにしてください。

参考になった数3