社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問34 ((択一式)労務管理その他の労働に関する一般常識 問4)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問34((択一式)労務管理その他の労働に関する一般常識 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

労働契約法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」とするのが、最高裁判所の判例である。
  • 労働契約法第3条第2項は、労働契約の締結又は変更に当たり、均衡を考慮することが重要であることから、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者が、労働契約を締結し、又は変更する場合には、就業の実態に応じて、均衡を考慮すべきものとするという「均衡考慮の原則」を規定しているが、この考慮すべき均衡には、異なる雇用形態間の均衡も含まれる。
  • 労働契約法第4条第1項は、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。」と定めているが、これには労働契約の締結前において使用者が提示した労働条件について説明等をする場面や、労働契約が締結又は変更されて継続している間の各場面が広く含まれるものであり、労働基準法第15条第1項により労働条件の明示が義務付けられている労働契約の締結時より広いものである。
  • 「労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、原則として当該労働者の同意を得る必要があるものと解すべきである。」とするのが、最高裁判所の判例である。
  • 労働契約法第18条第1項に基づき、有期契約労働者が無期労働契約への転換を申し込むことができる権利(以下本肢において「無期転換申込権」という。)が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、引き続き有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能である。

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この過去問の解説 (1件)

01

労働契約法からの出題です。
労一は法律系は確実に得点したいところですのでケアレスミスのないよう注意しましょう。

選択肢1. 「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」とするのが、最高裁判所の判例である。

記載の通りです。
比較的新しい判例からの出題です。(滋賀県社会福祉協議会事件)
技術職として雇用された方が、職種及び業務内容を技術職に限定する旨の合意があったとして配転命令が無効だとして訴えた裁判です。
選択肢記載の通り「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」とされました。

選択肢2. 労働契約法第3条第2項は、労働契約の締結又は変更に当たり、均衡を考慮することが重要であることから、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者が、労働契約を締結し、又は変更する場合には、就業の実態に応じて、均衡を考慮すべきものとするという「均衡考慮の原則」を規定しているが、この考慮すべき均衡には、異なる雇用形態間の均衡も含まれる。

記載の通りです。
「考慮すべき均衡には、異なる雇用形態間の均衡も含まれる」とされています。
(令5.10.2基発第1012第2号)
同じ仕事をしているのにアルバイトだから、契約社員だからといって不合理な差が生じることが良い訳ありませんから、当然といえば当然です。

選択肢3. 労働契約法第4条第1項は、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。」と定めているが、これには労働契約の締結前において使用者が提示した労働条件について説明等をする場面や、労働契約が締結又は変更されて継続している間の各場面が広く含まれるものであり、労働基準法第15条第1項により労働条件の明示が義務付けられている労働契約の締結時より広いものである。

記載の通りです。
これは結論だけ覚えておけばよいと思います。
通達では以下の通りとなっています。
「⑵ 労働者の理解の促進(法第4条第1項関係)
イ 法第4条第1項は、労働契約の締結前において使用者が提示した労働条件について説明等をする場面や、労働契約が締結又は変更されて継続している間の各場面が広く含まれるものであること。これは、労働基準法第15条第1項により労働条件の明示が義務付けられている労働契約の締結時より広いものであること。」
(平24.8.10基発0810第2号)
労働契約法施行時に作られたパンフレット「労働契約法のあらまし」にほぼ同じ文章がのっております。

選択肢4. 「労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、原則として当該労働者の同意を得る必要があるものと解すべきである。」とするのが、最高裁判所の判例である。

誤りの肢であり正解です。
労働者の同意は必要となりません。
「労働者が使用者(出向元)との間の雇用契約に基づく従業員たる身分を保有しながら第三者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供するという形態の出向(いわゆる在籍出向)が命じられた場合において、その後出向元が、出向先の同意を得た上、右出向関係を解消して労働者に対し復帰を命ずるについては、特段の事由のない限り、当該労働者の同意を得る必要はないものと解すべきである。
(古河電気工業・原子燃料工業事件)


この復帰命令に関しては指揮監督の主体を変更するものではありますが、そもそも元をたどれば出向元との雇用契約において出向元で働くことを合意していたわけですから、復帰することはないとの合意があったなど特段の事情がない限りはこの合意の存在を前提としたうえで出向していたと判断されました。

選択肢5. 労働契約法第18条第1項に基づき、有期契約労働者が無期労働契約への転換を申し込むことができる権利(以下本肢において「無期転換申込権」という。)が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、引き続き有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能である。

記載の通りです。
労働契約法第18条第1項に定める条件は次の契約でも満たすわけですから、以後更新する都度申込権が発生することになります。
通達では以下の通りです。
「無期転換申込権が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、再度有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、有期契約労働者は、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能であること」
(平24.8.10基発0810第2号)

まとめ

新しい判例が出題されています。

古い判例からの出題もありますが、改正の多い社労士試験範囲については新しい判例は出題しやすいと思われます。

直前でも構わないので重要判例は必ずチェックしておきましょう。

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