社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問45 ((択一式)健康保険法 問5)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問45((択一式)健康保険法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
- 資格確認書の交付を受けている任意継続被保険者が資格を喪失したときは、事業主は遅滞なく資格確認書を回収して、5日以内にこれを保険者に返納しなければならない。
- 療養費の支給対象となる柔道整復師の施術において、脱臼又は骨折(不全骨折を含む。)に対する施術については、医師の同意を得たものでなければならない。また、応急手当をする場合はこの限りではないが、応急手当後の施術は医師の同意が必要である。医師の同意は個々の患者が医師から得てもよく、また、施術者が直接医師から得てもよいが、いずれの場合であっても医師の同意は、患者を診察した上で書面により与えられることを要する。
- 保険医療機関等である病院又は診療所は、食事療養に要した費用についてその支払を受ける際、当該支払をした被保険者が請求した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。この領収証には、入院時食事療養費に係る療養について被保険者から支払を受けた費用の額のうち食事療養標準負担額とその他の費用の額とを区分して記載しなければならない。
- 厚生労働大臣は、保険医療機関の指定の申請があった場合において、当該申請に係る病床の種別に応じ、医療法第7条の2第1項に規定する地域における保険医療機関の病床数が、その指定により同法第30条の4第1項に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む。)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が同法第30条の11の規定による都道府県知事の勧告を受け、これに従わないときは、その申請に係る病床の全部又は一部を除いて、その指定を行うことができる。
- 被扶養者が肺癌により療養の給付を受けている間に被保険者が死亡した場合、被扶養者の概念を死亡当時そのものによって生計を維持していたものと解釈して、被保険者の死亡後も療養の給付は認められる。
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この過去問の解説 (2件)
01
本問は難問かと思います。
正解肢を探すというより、消去法でも正解を見つけられるようにする方がよいかもしれません。
誤りの肢です。
本肢の被保険者は「任意継続被保険者」であることに注意してください。
任意継続被保険者は退職済みですから、基本的に事業主は関係ありません。
資格確認書の返納については健康保険法施行規則第51条に定めがあり、基本的に事業主が遅滞なく回収して、保険者に返納することになっています。
ただし、第2項にて人に継続被保険者の場合は5日以内に被保険者本人が保険者に返納するとされています。
誤りの肢です。
「医師の同意は個々の患者が医師から得てもよく、又施術者が直接医師から得てもよいが、いずれの場合であっても医師の同意は患者を診察した上で書面又は口頭により与えられることを要すること。なお、実際に医師から施術につき同意を得た旨が施術録に記載してあることが認められ、支給申請書の「摘要」欄に付記されていれば、必ずしも医師の同意書の添付を要しないこと。
また、施術につき同意を求める医師は、必ずしも整形外科、外科等を標榜する医師に限らないものであること。」
(平9.4.17保険発第57号)
とあり、本肢では「書面により」とされていますので誤りです。
口頭でも構いません。
誤りの肢です。
被保険者が請求した場合に限りません。
健康保険法第85条第8項にて
「第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。」
とあり、被保険者の請求の有無に関わらず領収証の交付が義務となっています。
尚、食事療養標準負担額とその他の費用の額とを区分して記載しなければならない点は正しいです。
(健康保険法施行規則第62条)
記載の通りであり正解です。
長いので条文はかなり省略しますが、健康保険法第65条第4項についての問題です。
同項において
「厚生労働大臣は、第二項の病院又は診療所について第一項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その申請に係る病床の全部又は一部を除いて、第六十三条第三項第一号の指定を行うことができる。」
とあります。
そして2号に
「当該申請に係る病床の種別に応じ、医療法第七条の二第一項に規定する地域における保険医療機関の病床数が、その指定により同法第三十条の四第一項に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む。)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が同法第三十条の十一の規定による都道府県知事の勧告を受け、これに従わないとき。」
とあります。
厚生労働大臣の仕事に都道府県知事が絡んでくるのでよくわかりにくいですが、結論だけ覚えてしまって構わない論点かと思います。
医療法まで手を回すようであれば覚えるべき細かい論点がたくさんあります。
誤りの肢です。
被保険者が死亡した場合、翌日に資格喪失となります。(健康保険法第36条)
そして被扶養者への家族療養費(本肢では療養の給付となっていますが正しくは家族療養費です。)はあくまで被保険者に対して支給するものです。(健康保険法第110条)
つまり、給付を受けるべき被保険者がいないわけですから、死亡後に給付を受けられるとするのは誤りです。
他の法律が絡んでくると条文は非常にわかりにくくなります。
論点を重要度別に整理して、細かすぎる論点は過去問に取り組みながら結論に絞って覚えていきましょう。
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02
本問は、健康保険法の中でも「資格確認書」「療養費」「入院時食事療養費」「保険医療機関の指定」「被扶養者の給付」という、細かい手続規定・給付規定を横断して問う問題です。
誤りです。
資格確認書の交付を受けている任意継続被保険者が資格を喪失した場合に、返納義務を負うのは「事業主」ではありません。
任意継続被保険者は、すでに退職後の立場であり、通常の被保険者のように事業主を経由する関係にはありません。
通常の被保険者であれば、事業主が資格確認書を回収して返納する場面がありますが、任意継続被保険者については本人が保険者に返納するものとなります。
誤りです。
前半部分、すなわち、柔道整復師の施術について、脱臼又は骨折に対する施術は医師の同意が必要であり、応急手当の場合は例外であるという部分は正しいです。
しかし、誤りは後半です。
医師の同意は、患者が医師から得ても、施術者が直接医師から得てもよいですが、厚生労働省通知では、同意は書面又は口頭により与えられるものとされています。
また、医師から施術について同意を得た旨が施術録に記載されていれば、必ずしも医師の同意書の添付を要しないとされています。
したがって、「書面により与えられることを要する」と書面に限定している点が誤りです。
誤りです。
領収証の記載内容について、食事療養標準負担額とその他の費用の額を区分して記載しなければならないという部分は正しいです。
しかし、誤りは「被保険者が請求した場合には」という部分です。
入院時食事療養費に係る領収証は、被保険者から請求があった場合に限って交付すればよいものではなく、病院又は診療所は、食事療養に要した費用について支払を受ける際、被保険者に対して領収証を交付しなければなりません。
正しいです。
厚生労働大臣は、保険医療機関の指定申請があった場合でも、医療計画における基準病床数との関係で病床数が過剰となる場合に、都道府県知事の勧告を受けたにもかかわらず、病院又は診療所の開設者・管理者がこれに従わないときは、申請に係る病床の全部又は一部を除いて指定を行うことができます。
要するに、「病院全体を保険医療機関として一切指定しない」という形だけでなく、過剰となる病床部分を保険診療の対象から外して指定することができるという制度です。
誤りです。
被扶養者は、健康保険法上、保険事故の対象者にはなりますが、給付の受給権者そのものは原則として被保険者です。
また、被扶養者については、被保険者本人の「療養の給付」ではなく、被扶養者に係る給付としては通常「家族療養費」になります。
さらに、被保険者が死亡すれば、その者の被保険者資格は失われ、被扶養者も健康保険の被扶養者としての地位を当然に維持するわけではありません。
したがって、被保険者死亡後も、死亡当時の生計維持関係を理由として療養の給付が継続して認められる、という記述は誤りです。
この問題は、単純な保険給付の種類だけでなく、かなり細かい手続規定を突いています。
5つの選択肢のうち2つは、文章の大部分は正しいため、「書面に限るのか」「請求が必要なのか」という細部で判断する必要があります。
難易度としては、健康保険法の中でもやや細かい論点が多く、やや難しめです。
試験対策上は、病床除外指定は過去問でも狙われやすい典型論点として押さえておきたいところです。
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