社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問46 ((択一式)健康保険法 問6)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問46((択一式)健康保険法 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の全部を補助することができる。
- 健康保険法における被扶養者とは、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者はこの限りではない。厚生労働省令で定める者とは、日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において2年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものをいう。
- 被保険者が、事業主夫婦の寝室に侵入し、就寝中の両人及び使用人に傷害を与えて、現場にて自殺した場合、被保険者の自殺による死亡は故意に基づく事故であり、自殺による埋葬料は支給されない。
- 自動車事故による被害を受けた場合の医療保険の給付と自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)による給付の関係について、加害者が不明のひき逃げ等の場合や自賠責保険の補償の範囲を超える賠償義務が発生した場合には、被害者の加入する医療保険の保険者が給付を行ったとしても、その保険者は求償する相手先がないケースや結果的に求償が困難なケースが生じるので、医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であることから医療保険の給付を行わない。
- 高額療養費制度において、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いの免除については、限度額適用認定証等を提示した場合だけではなく、健康保険証としての利用登録を行ったマイナンバーカード(以下「マイナ保険証」という。)により保険資格の確認を行う場合についても対象となっており、マイナ保険証を利用する場合には、医療機関等の窓口において、限度額適用認定証等を提示せずとも、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いが免除される。
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この過去問の解説 (2件)
01
本問は非常に簡単です。
直近の改正等から出題されるケースも多いので、日頃から社労士科目に関連しそうなニュースにアンテナをはっておくと良いでしょう。
誤りの肢です。
全部ではなく一部を補助できます。
「国庫は、第百五十一条及び前二条に規定する費用のほか、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができる。」(健康保険法第154条の2)
個人的には「費用の全部を補助」と出たら基本疑ってよいと思います。
誤りの肢です。
被扶養者の定義は健康保険法第3条第7項にて定められていますが、被扶養者の定義は記載の通りです。
一方、厚生労働省令で定める者とは、以下の二つです。
一 日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦に相当期間滞在して、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの
二 日本の国籍を有しない者であって、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの
(健康保険法施行規則第37条の3)
よって最後の文章が2年となっている点が正しくは「二」にある通り1年ですので誤りとなります。
物騒な肢で試験後話題でしたが、誤りの肢です。
この場合も埋葬料は支給されます。
原則的に被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われません。
(健康保険法第116条)
一方、本肢のケースについては
「被保険者の自殺による死亡は故意に基く事故ではあるが、死亡は絶対的な事故であるとともに、この死亡に対する保険給付としての埋葬料は、被保険者であつた者に生計を依存していた者で埋葬を行う者に対して支給されるという性質のものであるから、法第六十条後段に該当しないものとして取り扱い埋葬料を支給しても差支えない。」
とされています。
(昭26.3.19保文発第721号)
通常の保険給付と性質が異なる点が指摘されていますが、結論だけ覚えてしまって構わないと思います。
誤りの肢です。
被害者が困る話なのであり得ないとわかると思いますが、一応根拠を示しておきます。
「加害者が不明のひき逃げ等の場合や自賠責保険の補償の範囲を超える賠償義務が発生した場合には、被害者の加入する医療保険の保険者が給付を行ったとしても、その保険者は求償する相手先がないケースや結果的に求償が困難なケースが生じ得ます。
このような場合であっても、偶発的に発生する予測不能な傷病に備え、被保険者等の保護を図るという医療保険制度の目的に照らし、医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であること等を理由として医療保険の給付を行わないということはできません。」
(平23.9.9保保発0809第3号)
明確に「行わないということはできません。」とあります。
記載の通りであり正解です。
これはマイナ保険証の開始時散々言われていたので記憶にある方も多いと思います。
高額療養費については、原則は償還払いですが、限度額適用認定証を提示した場合は自己負担限度額を超える支払いは免除されます。
マイナンバーカードで保険資格確認を行う際も同様の取扱いとすることができます。
(令和6.3.28保発0328第6号)
マイナ保険証はまだホットな話題ですのでカバーしておきましょう。
「健康保険法における〜活動を行うものをいう。」の選択肢は細かいので悩むかもしれませんが、難しい肢があっても正解が簡単なケースはたくさんあります。
一つの肢にあまり時間をかけずに進める方が良いかもしれません。
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02
本問は、健康保険法の中でも、国庫補助、被扶養者の国内居住要件、給付制限、第三者行為災害、高額療養費制度とマイナ保険証という、比較的細かい論点を横断する問題です。
誤りです。
国庫は、特定健康診査等の実施に要する費用について補助することができますが、補助できるのは「全部」ではなく「一部」です。
健康保険法154条の2の論点であり、「特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができる」と整理されています。
誤りです。
前半の、被扶養者には原則として国内居住要件があるという部分は正しいです。
日本国内に住所を有する者のほか、海外留学、海外赴任に同行する家族など、日本国内に生活の基礎があると認められる一定の者は、国内に住所がなくても被扶養者となり得ます。
厚生労働省通知でも、外国に一時的に留学する学生や、海外赴任する被保険者に同行する家族等は、国内居住要件の例外として取り扱うとされています。
しかし、後半が誤りです。
被扶養者から除外される「観光・保養等を目的として日本に滞在する外国人」については、本邦において1年を超えない期間滞在する者です。
選択肢は「2年を超えない期間」としているため誤りです。
誤りです。
自殺による死亡については、一見すると「故意による死亡だから埋葬料は支給されない」と考えそうですが、健康保険法上の取扱いは異なります。
被保険者の自殺による死亡は故意に基づく事故ではあるものの、死亡は絶対的な事故であり、埋葬料は被保険者であった者に生計を依存していた者で埋葬を行う者に支給される性質の給付であるため、埋葬料を支給して差し支えないとされています。
さらに、この事例の自殺は、故意の犯罪行為によって生じたものではないともされています。
誤りです。
自動車事故など第三者の行為による傷病であっても、健康保険の給付対象になります。
犯罪や自動車事故等の被害により生じた傷病は、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付対象であるとされています。
また、第三者行為による傷病について、加害者の誓約書がない場合でも、医療保険の給付は行われるとされています。
したがって、加害者不明のひき逃げや求償困難なケースであっても、それを理由に医療保険の給付を行わないわけではありません。
本肢は誤りです。
正しいです。
高額療養費制度では、従来、窓口負担を自己負担限度額までに抑えるには、限度額適用認定証等を提示する方法がありました。
現在は、マイナ保険証を利用し、医療機関等でオンライン資格確認により限度額情報を確認できる場合には、限度額適用認定証等を提示しなくても、自己負担限度額を超える支払いが不要になります。
細かい文言判断が必要となる問題です。
特に被保険者の自殺による死亡は直感と結論がずれやすい論点です。
自殺そのものは故意の事故といえても、埋葬料は遺族等に対する給付であるため支給される、という整理で押さえるとよいです。
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