社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問53 ((択一式)厚生年金保険法 問3)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問53((択一式)厚生年金保険法 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

事後重症の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の2第1項による障害厚生年金)及び基準障害の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の3第1項による障害厚生年金)に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、次のうちどれか。

ア  事後重症の障害厚生年金は、65歳に達する日の前日までに請求しなければならない。
イ  基準障害の障害厚生年金の支給は、当該年金を支給すべき事由が生じた月から始められる。
ウ  事後重症の障害厚生年金の対象は、障害等級1級及び2級のみである。
エ  基準障害の障害厚生年金の対象は、障害等級1級、2級及び3級である。
オ  繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者は、事後重症の障害厚生年金及び基準障害の障害厚生年金、いずれも請求することができない。
  • (アとイ)
  • (アとオ)
  • (イとエ)
  • (ウとエ)
  • (エとオ)

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい組合せは(アとオ)です。
事後重症の障害厚生年金は65歳になる前日までに請求が必要であり、さらに繰上げ支給の老齢厚生年金を受け取っている人は、事後重症・基準障害どちらの障害厚生年金も請求できないというルールがあります。

 

ア 事後重症の障害厚生年金は、65歳に達する日の前日までに請求しなければならない。

この文は正しいです。

事後重症の障害厚生年金とは、
初診日から一定期間たった後(障害認定日以後)に、障害の状態が重くなって、障害等級に該当するようになった場合に請求できる障害厚生年金です。

ただし、この事後重症による障害厚生年金は、65歳に達する日の前日までに請求しなければならないと決められています。

つまり「65歳を過ぎてから“事後重症”として新たに請求する」ことはできないため、「65歳前日までに請求が必要」というこの文の内容は法律のルールに合っています。

 

イ 基準障害の障害厚生年金の支給は、当該年金を支給すべき事由が生じた月から始められる。

この文は誤りです。

基準障害の障害厚生年金は、「基準障害」と呼ばれる一定の障害と、もともと持っていた他の障害(既往障害)を合わせて、障害等級に該当したときに請求できる障害厚生年金です。

基準障害による障害厚生年金が支給される場合、支給が始まるのは「支給事由が生じた月」ではなく、「請求をした月の翌月から」です。

選択肢は「事由が生じた月から始められる」としており、支給開始時期を早く書きすぎているため誤りです。

 

ウ 事後重症の障害厚生年金の対象は、障害等級1級及び2級のみである。

この文も誤りです。

事後重症の障害厚生年金の対象となるのは、障害等級1級・2級だけではなく、3級も含まれます。

つまり、事後重症であっても、障害等級3級に該当する程度の障害であれば、障害厚生年金の対象になり得ます。

選択肢では「1級および2級のみ」として3級を除外しているので、この点が誤りです。

 

エ 基準障害の障害厚生年金の対象は、障害等級1級、2級及び3級である。

この文も誤りです。

基準障害の障害厚生年金は、障害等級1級または2級になった場合が対象です。

試験対策上、「基準障害は1級・2級のみ」「3級は含まれない」と覚えるのがポイントです。

選択肢は「1級、2級及び3級」として3級まで含めているので、対象を広げすぎている点が誤りです。

 

オ 繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者は、事後重症の障害厚生年金及び基準障害の障害厚生年金、いずれも請求することができない。

この文は正しいです。

繰上げ支給の老齢厚生年金とは、本来の支給開始年齢より早く、年金を前倒しで受け取る仕組みです。

いったん繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権を取得すると、

・事後重症の障害厚生年金

・基準障害の障害厚生年金
については、新たに請求することができないとされています。

つまり、「老齢厚生年金を繰上げでもらうか」「後から障害厚生年金の可能性を残すか」は、将来の障害発生の可能性も含めて慎重に考える必要があります。

この選択肢は、こうしたルールをそのまま書いているので、内容は適切です。

選択肢2. (アとオ)

正解です。

まとめ

この問題のポイントを整理すると、次のとおりです。

 

・事後重症の障害厚生年金

65歳に達する日の前日までに請求が必要です(アが正しい)。

対象となる障害等級は1級・2級だけでなく3級も含むので、「1・2級のみ」とする記述ウは誤りです。

 

・基準障害の障害厚生年金

支給開始は「事由が生じた月」ではなく「請求をした月の翌月」からです。

イはここを取り違えています。

対象となる等級は1級・2級のみで、3級は含まれません(エは誤り)。

 

・繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者

事後重症・基準障害の障害厚生年金はどちらも請求できないという制限があります(オが正しい)。

 

このように、「いつまでに請求するか」「どの等級が対象か」「他の年金との関係で請求できるか」という3つの視点で整理しておくと、関連する問題にも対応しやすくなります。

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02

事後重症や基準障害などは微妙な差異があり、また国民年金法とも入れ替えて出題しやすいポイントです。
そういう意味では間違いポイントはある程度絞れるので過去問をよく洗っておきましょう。

 

ア 正しいです。
事後重症の場合は65歳達する日の前日までに請求する必要があります。
「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であつて、障害認定日において前条第2項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかつたものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。」(厚生年金保険法第47条の2第1項)
ややわかりにくいですが「65歳に達する日の前日までの間において~その期間内に~請求することができる」となっています。

 

イ 誤りです。
請求があった月の翌月からです。
「第一項の障害厚生年金(基準障害による障害厚生年金)の支給は、第36条第1項の規定にかかわらず、当該障害厚生年金の請求があつた月の翌月から始めるものとする。」(厚生年金保険法第47条の3第3項)
余談ですが私が受験生の時は年金科目で「当該年金を支給すべき事由が生じた月から」とあれば、起算点はともかくまず「翌月」では?と疑っていました。

 

ウ 誤りです。
厚生年金の場合は3級も対象になります。
「障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級、2級及び3級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。」(厚生年金保険法第47条第2項)
国民年金の場合は1級と2級のみになります。
混同しないように注意しましょう。


エ 誤りです。
こちらは1級と2級のみになります。

ややこしいですが頑張って覚えましょう。
「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この条において「基準傷病」という。)に係る初診日において被保険者であつた者であつて、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下この条において「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級の1級又は2級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)に係る初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。」(厚生年金保険法第47条の3第1項)
ちょっとわかりにくい部分だけ補足しておくと、基準傷病とはあとの方(併合のきっかけになる方)の傷病です。

 

オ 正しいです。
繰上げ支給の請求をした場合はいずれも請求できません。(厚生年金保険法附則第16条の3)
繰上げ支給を受けている場合は65歳に達したとみなされると考えておけばわかりやすいかと思います。


よって正しいのはアとオとなります。

選択肢1. (アとイ)

間違いです。

選択肢2. (アとオ)

こちらが正解肢になります。

選択肢3. (イとエ)

間違いです。

選択肢4. (ウとエ)

間違いです。

選択肢5. (エとオ)

間違いです。

まとめ

冒頭にも記載した通り年金関係は他の科目との入れ替えがしやすく、横断整理が有効です。

過去問でひっかけパターンをつかむのも有効かもしれません。

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03

事後重症の障害厚生年金は、初診日において被保険者であった者が障害認定日に障害等級に該当しなかったが、65歳に達する日の前日までの間にその症状が悪化し障害等級に該当することになったときに請求することができ、それにより障害厚生年金が支給されます。

基準障害の障害厚生年金は、既に障害の状態にある者が新たな傷病により障害の状態(65歳に達する日の前日)に至ったときに、それらを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当するときに障害厚生年金が支給されます。

 

正解の組み合わせは、アとオで選択肢2が正しいです。

 

アは正しい。

障害認定日後に65歳に達する日の前日までの間に、障害等級として1級から3級の要件に該当し、65歳に達する日の前日までに請求しなければなりません。


イは間違い。

当該年金を支給すべき事由が生じた翌月から始められます。

 

ウは間違い。

アの解説を参照してください。

 

エは間違い。

基準障害の障害厚生年金は、基準傷病以外の障害と基準傷病の障害が併合して初めて1級又は2級に該当したときに、支給されます。

 

オは正しい。

繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者は、事後重症の障害厚生年金及び基準傷病の障害厚生年金は、いずれも支給されません。なぜなら、繰上げ支給の老齢厚生年金を受けることにより65歳に達したとみなされるためです。

選択肢1. (アとイ)

間違い。
 

選択肢2. (アとオ)

正しい。


 

選択肢3. (イとエ)

間違い。


 

選択肢4. (ウとエ)

間違い。

 

 

選択肢5. (エとオ)

間違い。

 

まとめ

厚生年金保険法の事後重症と基準障害の障害厚生年金は国民年金法の障害基礎年金にもあるので、比較しながら勉強すると互いの理解が深まります。

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