社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問54 ((択一式)厚生年金保険法 問4)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問54((択一式)厚生年金保険法 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
- 保険給付の受給権者が死亡した場合の未支給の保険給付の支給を請求できる遺族の範囲については、厚生年金保険法第37条第1項に規定されているが、これには受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた受給権者の配偶者の甥は含まれない。
- 事業主は、その厚生年金保険に関する書類を、その完結の日から3年間、保存しなければならない。
- 老齢厚生年金の額に加算する加給年金の額の計算において、その額に50円未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときはこれを100円に切り上げるものとされている。
- 第3号厚生年金被保険者に係る事務を担当する実施機関としては地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会があるが、厚生年金保険法第84条の5第1項の規定による拠出金の納付に関する事務は、地方公務員共済組合が行う。
- 事故が第三者の行為によって生じた場合において、受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等は、その価額の限度で、保険給付をしないことができるとされているが、受給権者が当該第三者から損害賠償を受ける前に保険給付を受けたときは、政府が、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することはない。
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この過去問の解説 (2件)
01
正しいのは、「老齢厚生年金の額に加算する加給年金の額の計算において、その額に50円未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときはこれを100円に切り上げるものとされている。」です。
加給年金額は計算のときに、50円未満は切り捨て、50円以上100円未満は100円に切り上げるというルールがあります。
内容:
「未支給の保険給付を請求できる遺族の範囲には、受給権者と生計を同じくしていた配偶者の甥は含まれない」と書いてあります。
解説:
現在の法律では、未支給の保険給付(亡くなった人に支給されるはずだった年金など)を請求できる遺族の範囲に、条件を満たせば三親等内の親族も含まれます。
配偶者の甥や姪も「三親等内の親族」に含まれるので、生計を同じくしていれば対象になります。
そのため、「配偶者の甥は含まれない」と言い切っているこの記述は誤りです。
内容:
事業主は、厚生年金保険に関する書類を、その完結の日から3年間保存しなければならない。
解説:
厚生年金保険に関する書類の保存期間は、法律で原則2年間と定められています。
ここでは3年間と書かれているので、年数が違っており誤りです。
正解です。
内容:
老齢厚生年金に加算する加給年金額の計算で、50円未満の端数は切り捨て、50円以上100円未満の端数は100円に切り上げる。
解説:
加給年金額を計算するときは、法律上、100円単位になるように端数処理をします。
そのルールは次のとおりです。
・50円未満の端数 → 切り捨て
・50円以上100円未満の端数 → 100円に切り上げ
この記述は、このルールをそのまま説明しているので、内容として正しいです。
内容:
第3号厚生年金被保険者に係る事務を担当する実施機関として、地方公務員共済組合・全国市町村職員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会があるが、拠出金の納付に関する事務は地方公務員共済組合が行う。
解説:
第3号厚生年金被保険者に関する事務を行う実施機関は、
・地方公務員共済組合
・市町村職員共済組合連合会
・地方公務員共済組合連合会
とされています。
そして、厚生年金保険法第84条の5第1項の拠出金の納付に関する事務は、「実施機関」として定められている側が行うものであり、特定の「地方公務員共済組合だけ」が行うわけではありません。
一般的な解説では、第3号については地方公務員共済組合連合会が行うと説明されます。
したがって、「地方公務員共済組合が行う」としているこの記述は誤りです。
内容:
第三者の行為により事故が起き、受給権者が第三者から損害賠償を受けた場合、政府等はその価額の限度で保険給付をしないことができる。
しかし、第三者から損害賠償を受ける前に保険給付を受けた場合には、政府は受給権者の第三者に対する損害賠償請求権を取得することはない。
解説:
第三者の行為による事故の場合、
・受給権者が先に損害賠償を受けたとき
→ その分は年金給付をしないことができる
・逆に、先に年金などの保険給付を行った場合
→ 政府は、支払った分の範囲で、受給権者の第三者に対する損害賠償請求権を取得(代位)することができます
つまり、「政府が請求権を取得することはない」という記述は、法律の考え方と逆になっており誤りです。
この問題では、
・未支給の保険給付を請求できる遺族の範囲
・事業主の書類保存期間
・加給年金額の端数処理
・第3号被保険者の実施機関と拠出金納付
・第三者行為と損害賠償・請求権の扱い
といった、厚生年金保険法の細かい規定が問われています。
ポイントは次の3つです。
1.未支給の保険給付の遺族範囲には、三親等内の親族(甥・姪など)も含まれることがあること。
2.事業主の厚生年金関係書類の保存期間は2年であること。
3.加給年金額は100円単位で計算し、50円未満切り捨て・50円以上100円未満切り上げという端数処理をすること。
こうした数字や言い回しは、試験でよくひっかけに使われます。
条文のイメージとあわせて、「どこが違うのか」を意識して読む練習をすると、得点につながりやすくなります。
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02
選択肢4は難しい問題なので、それ以外の選択肢から考えていくと良いと思います。
間違い。
未支給の保険給付を請求できる遺族の範囲は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹またはこれらの者以外の3親等内の親族であり、死亡した者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものです。
甥は、3親等内の親族に当てはまるので未支給の保険給付の支給を請求することができます。
間違い。
厚生年金保険に関する書類は、その完結からの日から2年間、保存しなければなりません。
また、健康保険に関する書類も、その完結からの日から2年間、保存しなければなりません。
厚生年金保険と健康保険の種類の保存期間は同じ2年間と覚えることができます。
正しい。
設問のとおりです。
間違い。
地方公務員共済組合連合会が、拠出金の納付に関する事務を行います。
地方公務員共済組合ではありません。
地方公務員等共済組合法第38条の2第2項に規定してあります。
間違い。
損害賠償請求権の免責と代位取得についての問題です。
前半の免責についての記述は正しいのですが、後半の代位取得についての記述に間違いがあります。
受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することはないという部分は間違っています。
正しくは、「受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することができる」です。
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