社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問56 ((択一式)厚生年金保険法 問6)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問56((択一式)厚生年金保険法 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢厚生年金の受給資格期間を満たさない等の支給要件を満たした者は、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が日本の永住資格を有するときは、この限りでない。
- 脱退一時金の支給を受けた者は、その後、再び脱退一時金の支給要件を満たすことがあったとしても、脱退一時金の支給を請求することはできない。
- 政府は、国民年金事業に関する財政の現況及び見通し又は厚生年金保険事業に関する財政の現況及び見通しの作成にあたり、その作成年のおおむね100年後に、国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)附則第2条第1項の規定によって算出するいわゆるモデル年金の所得代替率が50%を下回ることが見込まれる場合、調整期間の終了について検討を行い、その結果に基づいて調整期間の終了その他の措置を講じなければならない。
- 初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(以下本肢において「健診日」という。)は初診日として取り扱わないこととされている。ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証(医療機関による初診日の証明)を得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料を求めた上で、初診日を認めることができるとされている。
- 障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫が死亡し、子のいない妻が遺族厚生年金を受給する場合、夫死亡時の妻の年齢によっては、中高齢寡婦加算が行われることがある。ただし、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満である場合は、中高齢寡婦加算は行われない。
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この過去問の解説 (2件)
01
正しい記述は、「初診日と健診日の取扱い」に関する文章です。
原則は「治療目的で初めて受診した日が初診日」ですが、医証が取れない特別な場合には、条件付きで健診日を初診日として認めることができるという内容で、これは現在の運用と合っています。
内容の前半はおおむね合っていますが、後半が誤りです。
厚生年金の脱退一時金は、
・日本国籍を有していない
・公的年金(国民年金・厚生年金)の被保険者でない
・厚生年金の被保険者期間が6月以上
などの要件を満たした外国人が請求できます。
厚生労働省の資料では、在留資格に関係なく、日本国籍を有しない者なら永住者も脱退一時金を請求できると明記されています。
したがって、「永住資格を持っているときは請求できない」という部分が法律・運用と合っていません。
これは誤りです。
脱退一時金を受け取ると、その計算の基礎になった被保険者期間は「なかったもの」とみなされますが、その後また日本で働いて厚生年金に加入し、再び要件を満たせば、あらためて脱退一時金を請求することができます。
制度上、「一生に1回だけ」といった回数制限は設けられておらず、実務でも、帰国と再入国を繰り返して何度でも請求し得る状態になっている点が問題視されている資料があります。
したがって、「一度受給したら二度と請求できない」という説明は誤りです。
50%を下回るかどうかを見るタイミングの説明が違うため誤りです。
公的年金について政府は、おおむね5年ごとに、その時点から約100年間の財政見通しを作成します。
一方で、いわゆる「モデル年金の所得代替率が50%を下回るかどうか」に応じてマクロ経済スライドの終了等を検討するルールは、
「次の財政検証までに(=今後5年間の間に)所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合」
に検討すると定められています。
選択肢のように「作成年のおおむね100年後に50%を下回る場合に検討する」としている点が、法律の定めと異なります。
これは正しい内容です。
障害年金で重要な初診日は、原則として 「治療目的で初めて医療機関を受診した日」です。
健康診断を受けた日(健診日)は、原則として初診日にはなりません。
しかし、
・治療目的で初めて受診した日の医証(医療機関の証明)がどうしても取れない
・健診結果からすぐに治療が必要と医学的に認められる状態だった
といった場合には、
本人が「健診日を初診日として扱ってほしい」と申し立て、
健診日を証明する資料を提出することで、
健診日を初診日と認めることができるとされています。
この説明は、日本年金機構等が示す取り扱いと一致しているため、正しい記述です。
誤りです。
ポイントは、中高齢寡婦加算の要件のうち「240月(20年)要件」は一部のケースだけにかかるという点です。
中高齢寡婦加算は、子のいない40歳以上65歳未満の妻などに遺族厚生年金へ加算されるもので、
「短期要件」と「長期要件」のどちらから遺族厚生年金を受けるかで、要件が少し違います。
資料では、
・短期要件から遺族厚生年金が支給される場合には、夫の被保険者期間が240月未満でも中高齢寡婦加算が付き得る
・長期要件の場合に、「夫の厚生年金被保険者期間が240月以上」という条件が付く
と説明されています。
選択肢は「240月未満ならどの場合でも中高齢寡婦加算は行われない」と読める内容なので、これは行きすぎた説明で誤りです。
・脱退一時金は「日本国籍を有しないこと」がポイントであり、永住者でも要件を満たせば請求できます。
一度もらったら二度と請求できないわけでもありません。
・年金の所得代替率50%ルールは、「100年後」に着目するのではなく、次の財政検証までの期間(おおむね5年)で50%を下回る見込みかどうかをチェックする仕組みです。
・初診日と健診日の関係では、原則「治療目的で初めて受診した日」が初診日ですが、医証が取れない特別な場合には、条件付きで健診日を初診日と認めることがあります。
・中高齢寡婦加算の240月要件は、すべての場合に必要なわけではなく、特定の要件(長期要件)のときだけ関係します。
この問題では、こうした細かい条件の違いを問われています。
条文だけでなく、「どのケースにその要件がかかるのか」を意識して整理しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。
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02
選択肢2以外の問題が難しいです。選択肢に書かれている知識を持っていないと正解することができない問題が多いです。
選択肢1は、永住資格について理解していると解けると思います。
選択肢3は、文章をよく読むと解けると思います。
選択肢4は、健康診断が初診日として認められるかということについて、それっぽいことが書かれています。
選択肢5は、遺族厚生年金の短期要件と中高齢寡婦加算について理解していることが大切です。
間違い。
脱退一時金は、在留資格に関係なく日本国籍を有しないことが受給要件の一つとされており、永住資格を有していても脱退一時金を請求することができます。
永住資格とは、外国人が外国籍を持ったまま、日本に永住できる資格を得ているということであり、日本国籍を有するという事ではありません。
間違い。
脱退一時金には支給回数に関して制限はありません。
間違い。
その作成年のおおむね100年後という箇所が間違いです。正しくは、次の財政の現況及び見通しが作成されるまでの間に、です。
正しい。
原則は健康診断を受けた日は初診日として取り扱われませんが、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証(医療機関による初診日の証明)を得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料を求めた上で、初診日を認めることができるとされています。
平成27年9月28日年管管発0928第6号の第3の3健診日の取り扱いから出題されています。
間違い。
設問の夫は障害等級2級の障害厚生年金を受給しているので、遺族厚生年金の短期要件に該当しています。短期要件に該当しているという事は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者の月数は300に満たないときは300となるので、設問の者に中高齢寡婦加算は行われます。
老齢厚生年金の受給権者又は受給資格期間を満たした者(長期要件)に該当する場合には、死亡した者の被保険者期間の月数が240以上でなければ、中高齢寡婦加算は行われません。
つまり、遺族厚生年金が短期要件に該当している場合には、被保険者期間の月数は問われません。
他の短期要件として、
・被保険者が死亡した場合
・被保険者であった者が、被保険者資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡した場合
があります。
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