社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問60 ((択一式)厚生年金保険法 問10)
問題文
ア 障害手当金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行う。
イ 実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。
ウ 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するとき、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止される。なお、加給年金額が加算された老齢厚生年金についてもこの規定が適用されるため、加給年金額に相当する部分も含めて、当該遺族厚生年金は支給が停止される。
エ 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して3年を経過したときに遺族厚生年金の受給権は消滅する。
オ 事業主が、正当な理由がなく、厚生年金保険法第27条の規定に違反して、被保険者(70歳以上の使用される者を含む。)の資格の取得及び喪失(70歳以上の使用される者にあっては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至った日及び当該要件に該当しなくなった日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項について、厚生労働大臣に届け出なければならないにもかかわらず、これを届出せず又は虚偽の届出をした場合は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問60((択一式)厚生年金保険法 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 障害手当金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行う。
イ 実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。
ウ 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するとき、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止される。なお、加給年金額が加算された老齢厚生年金についてもこの規定が適用されるため、加給年金額に相当する部分も含めて、当該遺族厚生年金は支給が停止される。
エ 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して3年を経過したときに遺族厚生年金の受給権は消滅する。
オ 事業主が、正当な理由がなく、厚生年金保険法第27条の規定に違反して、被保険者(70歳以上の使用される者を含む。)の資格の取得及び喪失(70歳以上の使用される者にあっては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至った日及び当該要件に該当しなくなった日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項について、厚生労働大臣に届け出なければならないにもかかわらず、これを届出せず又は虚偽の届出をした場合は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。
- (アとウ)
- (アとオ)
- (イとエ)
- (イとオ)
- (ウとエ)
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この過去問の解説 (2件)
01
正しいのは、イとオの組合せです。
イは「障害状態の確認のために医師の診断を命じることができる」という内容で、オは「第27条の届出義務違反に対する罰則」の内容で、いずれも厚生年金保険法の規定と合っています。
ア・ウ・エは、いずれも細かい部分で条文や制度の内容とずれているところがあります。
<アについて>
◯内容の要点
障害手当金の受給権者で、障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する人について、
その障害手当金の支給事務は、障害認定日における被保険者の種別に応じて、実施機関が行う、としています。
◯どこが問題か
厚生年金と共済の一元化後、「どの実施機関が給付事務を担当するか」は、原則として、その給付に関係する一定の基準日における被保険者の種別で決めます。
ただし、障害給付では、その障害の原因となった傷病についての初診日の時点などを基準にして実施機関を決める仕組みになっており、問題文のように「障害認定日における被保険者の種別」で決まる、とまでは言えません。
つまり、この選択肢は、基準とする日を「障害認定日」としてしまっている点が不正確です。
そのため、アは誤りと考えます。
<イについて>(正しい)
◯内容の要点
実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態が理由で年金給付を受けている人や、第44条1項により加給年金額の加算が行われている子に対して、指定する医師の診断を受けるよう命じたり、職員をして障害の状態を診断させることができる、という内容です。
◯なぜ正しいか
障害厚生年金などは、「今も障害等級に該当する程度の障害状態かどうか」が、支給の前提条件です。
そのため法律では、実施機関が必要と判断したときに、受給権者本人や、加給年金額の対象となっている子について、指定医による診断や職員による診断を受けさせることができると定めています。
これは、障害状態が軽くなっていないか、条件を満たし続けているかを確認するための仕組みです。
したがって、イの内容は法律の定めと合っています。
<ウについて>
◯内容の要点
65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の受給権を持つとき、遺族厚生年金は、老齢厚生年金の額に相当する部分が支給停止になる。
さらに、加給年金額が加算されている老齢厚生年金についても同じ扱いなので、加給年金額に相当する部分も含めて遺族厚生年金が支給停止されるとしています。
◯どこが問題か
65歳以上で、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金が重なるときには、調整(支給停止)が行われるのはそのとおりです。
ただし、その調整の対象はあくまで老齢厚生年金本体の額(報酬比例部分など)であり、加給年金額そのものまで含めて、遺族厚生年金を停止するとはされていません。
この選択肢は、「加給年金額に相当する部分も含めて遺族厚生年金が停止される」としており、加給年金額の扱いを広く取りすぎているため、誤りです。
<エについて>
◯内容の要点
遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻で、同じ支給事由による遺族基礎年金の受給権がない場合、受給権取得日から3年経過で遺族厚生年金の受給権が消滅するとしています。
◯どこが問題か
子のいない30歳未満の妻の遺族厚生年金は、有期年金(一定期間のみ)で支給される仕組みがありますが、その期間は3年ではなく、5年とされています。
したがって、「3年を経過したときに受給権が消滅する」としているこの記述は、年数を間違えているので誤りです。
<オについて>(正しい)
◯内容の要点
事業主が、正当な理由なく、第27条の規定に違反して、被保険者(70歳以上の使用される者を含む。)の資格の取得・喪失や、報酬月額・賞与額に関する届出をしなかったり、虚偽の届出をした場合には、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる、としています。
◯なぜ正しいか
第27条は、事業主に対して、
・被保険者の資格取得・喪失
・70歳以上の使用される者について一定の要件に該当した・外れた日
・報酬月額・賞与額の変更
などを、厚生労働大臣(実務上は日本年金機構等)に届け出る義務を課しています。
この届出義務に正当な理由なく違反したり、虚偽の届出をした場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則が科されます。
選択肢の内容はこの罰則規定と一致しているため、オは正しいです。
正解です。
この問題のポイントを整理すると、次のとおりです。
正しい組合せは「イとオ」です。
・アは、「どの実施機関が障害手当金の事務を行うか」を決める基準日を、障害認定日としてしまっている点が不正確です。
・ウは、老齢厚生年金との重なりで遺族厚生年金が調整されること自体は良いのですが、加給年金額まで含めて支給停止になると書いてしまっているところが行きすぎです。
・エは、子のいない30歳未満の妻の遺族厚生年金の期間を3年と誤っており、正しくは5年です。
・イは、障害状態を確認するために、指定医の診断等を命じることができる権限について書いており内容が合っています。
・オは、第27条の届出義務違反に対する「6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則を正しく説明しています。
厚生年金の問題では、
「いつの時点を基準にするか」「何年か」「どこまでが支給停止の対象か」
といった細かいところがよく問われます。
数字や基準日、対象範囲の言い回しに注意しながら読む練習をしておくと、同じような問題にも対応しやすくなります。
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02
アからオの記述についての解説です。
・アは間違い。
当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じてではありません。
正しくは、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じてです。
・イは正しい。
設問の通りです。
・ウは間違い。
加給年金額に相当する部分は除かれます。
厚生年金保険法第60条第1項第2号ロの規定を参照してください。
老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権者は、それらを併給するときは、老齢厚生年金の支給がされ、遺族厚生年金は老齢厚生年金の額に相当する部分が支給停止されます。
・エは間違い。
起算して3年を経過したときではありません。
正しくは、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときです。
・オは正しい。
設問の通りです。
事業主に対しての他の罰則(厚生労働保険法第102条1項)については、
・厚生労働大臣からの通知があったのに被保険者へ通知しないとき
・督促状に指定する期限まで保険料を納付しないとき
・正当な理由がなく立入検査(法100条1項)文書その他の物件を提出しない又は職員の質問へ答弁しないとき
等です。
これらも6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
正しいものの組み合わせはイとオとなり、選択肢4が正解です。
間違いです。
間違いです。
間違いです。
正しいです。
間違いです。
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