社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問61 ((択一式)国民年金法 問1)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問61((択一式)国民年金法 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。また、脱退一時金についての裁定の請求は、国民年金法施行規則に定める事項を記載した請求書を日本年金機構に提出することによって行わなければならない。
  • 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消の訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。
  • 市町村長(特別区の区長を含む。)は、国民年金法第16条に規定する給付を受ける権利の裁定(国民年金法施行令第1条の2第3号イからトまでに掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務に関して、請求書、申請書又は届書を受理したときは、必要な審査を行い、これを日本年金機構に送付しなければならない。
  • 厚生労働大臣は、国民年金法による年金たる給付の受給権の裁定をしたときは、原則として、国民年金法施行規則第65条第2項各号に掲げる事項を記載したその年金の年金証書を作成し、これを同条第1項で規定される通知書に添えて、その受給権者に交付しなければならない。
  • 老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、氏名、生年月日及び住所、変更前及び変更後の個人番号、個人番号の変更年月日を記載した届書を、速やかに、日本年金機構に提出しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

誤っているのは、
「被保険者の資格に関する処分や給付に関する処分の取消の訴えは、必ず社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起できない」としている文章です。

理由は、原則として審査請求の決定を経る必要はありますが、決定を待たずに裁判を起こすことができる例外が法律で認められているからです。
ほかの文章は、国民年金法・施行令・施行規則の定めに沿った内容になっています。

選択肢1. 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。また、脱退一時金についての裁定の請求は、国民年金法施行規則に定める事項を記載した請求書を日本年金機構に提出することによって行わなければならない。

この文章は正しい内容です。

国民年金の年金や一時金などの給付は、権利を持つ人の請求に基づいて厚生労働大臣が裁定すると国民年金法で定められています(法16条)。

脱退一時金の裁定の請求については、国民年金法施行規則に、決められた事項を記載した請求書を日本年金機構に提出して行うと規定されています。

なお、実務上の事務は日本年金機構が行いますが、「裁定する権限」は厚生労働大臣にある、と整理されています。

選択肢2. 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消の訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。

誤りです。

文章の前半部分で列挙している、「被保険者の資格に関する処分」「給付に関する処分」「保険料等の徴収に関する処分」に不服があるときは、まず社会保険審査官に対して審査請求を行い、その後に裁判(取消訴訟)という流れになる点は、そのとおりです。

 

しかし、実際の法令(国民年金法101条等)では、「原則として」審査請求(または再審査請求)の決定を経た後でなければ取消訴訟を提起できないとしつつ、「審査請求から一定期間決定が出ない場合」「決定の執行により著しい損害を避ける必要がある場合」など、いくつかの例外を認めており、その場合は決定を待たずに裁判を起こすことができます。

 

ところが、この文章は「決定を経た後でなければ提起することができない」と、例外のない絶対的なルールのように書いています。

そのため、例外規定を無視した記述になっており誤りとなります。

選択肢3. 市町村長(特別区の区長を含む。)は、国民年金法第16条に規定する給付を受ける権利の裁定(国民年金法施行令第1条の2第3号イからトまでに掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務に関して、請求書、申請書又は届書を受理したときは、必要な審査を行い、これを日本年金機構に送付しなければならない。

この文章は正しい内容です。

国民年金法施行令1条の2などで、一部の事務は市町村長が行うことが定められています。

特に、第1号被保険者(自営業者など)やその者であった人を対象とする老齢・寡婦年金・死亡一時金などについては、市町村長が、

・請求書等の受理

・必要な審査
を行い、そのうえで日本年金機構に送付するという流れになっています。

文章にある「国民年金法第16条の給付のうち、施行令1条の2第3号イ~トに掲げるもの」に限定している点も、条文の整理に沿っています。

選択肢4. 厚生労働大臣は、国民年金法による年金たる給付の受給権の裁定をしたときは、原則として、国民年金法施行規則第65条第2項各号に掲げる事項を記載したその年金の年金証書を作成し、これを同条第1項で規定される通知書に添えて、その受給権者に交付しなければならない。

この文章も正しいです。

国民年金法施行規則65条では、厚生労働大臣が年金たる給付の受給権の裁定をしたときの手続きが定められています。

そこでは、年金証書に記載すべき事項(氏名、年金コード、年金額など)を列挙し、その年金証書を作成して、裁定結果を知らせる通知書に添えて受給権者に交付することとされています。

文章の内容は、この規定をそのまま説明したものになっています。

選択肢5. 老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、氏名、生年月日及び住所、変更前及び変更後の個人番号、個人番号の変更年月日を記載した届書を、速やかに、日本年金機構に提出しなければならない。

この文章も正しい内容です。

マイナンバー(個人番号)は原則として一生同じですが、漏えいなどの理由で変更されることがあります

国民年金関係では、受給権者の本人確認と記録の正確な管理のため、個人番号に変更があった場合の届出事項(氏名・生年月日・住所・変更前後の個人番号・変更年月日)が施行規則で定められています。

老齢基礎年金の受給権者についても、個人番号を変更したときは、速やかに日本年金機構に届出をすることになっています。

文章に書かれている「記載すべき内容」や「提出先(日本年金機構)」も、この規定に沿ったものです。

まとめ

この問題では、国民年金の「裁定」とその周辺の手続き(不服申立て・市町村の役割・証書の交付・マイナンバーの届出)がテーマでした。

 

・給付は請求に基づき厚生労働大臣が裁定し、脱退一時金の請求は日本年金機構に書面を提出して行います。

 

・一部の年金(1号被保険者関係)については、市町村長が請求の受理と事実の審査を行い、日本年金機構へ送付します。

 

・裁定が行われると、年金証書が作成され、通知書に添えて交付されます。

 

・老齢基礎年金の受給権者が個人番号を変更したときは、必要事項を記載した届書を日本年金機構に提出します。

 

・そして、不服申立てと裁判の関係では、原則として審査請求の決定を経てから取消訴訟を起こすものの、一定の場合には決定を待たずに訴えを提起できる例外があるため、「必ず決定を経ないと訴えを提起できない」と書いている文章が誤りとなります。

 

条文の表現が細かくて覚えにくいところですが、「原則」と「例外」「厚生労働大臣」「日本年金機構」「市町村長」の役割分担を意識して整理しておくと、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

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02

いきなり難しい問題が出題されています。

わからない問題に出会っても落ち着いて解ける選択肢を見つけて、そこから解いていくことが大切です。

選択肢1. 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。また、脱退一時金についての裁定の請求は、国民年金法施行規則に定める事項を記載した請求書を日本年金機構に提出することによって行わなければならない。

正しい。
設問の通りです。
国民年金施行規則に定める事項とは以下のことです。
・氏名、生年月日及び住所
・基礎年金番号
・公的年金制度の加入期間を有する者及び日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給について政令で定める期間と合算対象期間を有する者
・払渡希望金融機関の名称及び所在地並びに預金口座の口座番号
詳しくは、国民年金法施行規則63条を参照してください。
 

選択肢2. 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消の訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。

間違い。
保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取り消しの訴えは、審査請求をする必要はなく、処分の取り消しの訴えを提起することができます。
この保険料の規定は、健康保険法、厚生年金法も同様に、処分の取り消しの訴えは、審査請求をする必要はなく、処分の取り消しの訴えを提起することができます。
 

選択肢3. 市町村長(特別区の区長を含む。)は、国民年金法第16条に規定する給付を受ける権利の裁定(国民年金法施行令第1条の2第3号イからトまでに掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務に関して、請求書、申請書又は届書を受理したときは、必要な審査を行い、これを日本年金機構に送付しなければならない。

正しい。
設問の通りです。

国民年金法施行規則第64条を参照してください。

選択肢4. 厚生労働大臣は、国民年金法による年金たる給付の受給権の裁定をしたときは、原則として、国民年金法施行規則第65条第2項各号に掲げる事項を記載したその年金の年金証書を作成し、これを同条第1項で規定される通知書に添えて、その受給権者に交付しなければならない。

正しい。
設問の通りです。
ただし、老齢基礎年金の受給権を裁定した場合においてその受給権者が老齢厚生年金の年金証書を受けているときは、この限りではありません。
また、同一の支給事由による障害基礎年金と障害厚生年金、遺族基礎年金と遺族厚生年金も同様のことが行われます。
 

選択肢5. 老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、氏名、生年月日及び住所、変更前及び変更後の個人番号、個人番号の変更年月日を記載した届書を、速やかに、日本年金機構に提出しなければならない。

正しい。
設問の通りです。
また、老齢基礎年金の受給権者が老齢厚生年金の受給権を同時に有する場合は、当該受給権者が厚生年金法施行規則の個人番号変更の届出を行ったときは、氏名、生年月日および住所等の届出があったものとみなします。
 

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03

この問題は国民年金における裁定請求や、届け出当の手続きの問題です。

年金受給までの流れや申請方法などを理解していくことが大切です。

選択肢1. 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。また、脱退一時金についての裁定の請求は、国民年金法施行規則に定める事項を記載した請求書を日本年金機構に提出することによって行わなければならない。

正しいです。

実際に年金給付を受けるためには、支給要件が客観的に満たされていることを厚生労働大臣に認めてもらう必要があります。

これを厚生労働大臣の裁定といいます。

脱退一時金は、日本国籍を有しない方が、国民年金、厚生年金保険(共済組合等を含む)の被保険者(組合員等)資格を喪失して日本を出国した場合に請求することができます。

ただし、日本を出国後2年以内に請求する必要があります。

請求者が、脱退一時金請求書および添付書類を日本年金機構等へ提出しなければなりません。

選択肢2. 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消の訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。

間違いです。

「保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分」については、この規定から除外されていて、審査請求しなくても処分取消しの訴えができます。

 

被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができます。

前条第1項に規定する処分(被保険者の資格に関する処分又は給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)に限る。)の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができません。

ただし、「保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分」は、この規定から除外されていて、審査請求しなくても処分取消しの訴えができます。

 

選択肢3. 市町村長(特別区の区長を含む。)は、国民年金法第16条に規定する給付を受ける権利の裁定(国民年金法施行令第1条の2第3号イからトまでに掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務に関して、請求書、申請書又は届書を受理したときは、必要な審査を行い、これを日本年金機構に送付しなければならない。

正しいです。

国民年金における国民年金業務の実施について、国民年金に係る事務の一部は法定受託事務として市長町が行っています。

国民年金の給付の権利に関する審査は、市町村が行う法定受託事務の一部として行われます。

選択肢4. 厚生労働大臣は、国民年金法による年金たる給付の受給権の裁定をしたときは、原則として、国民年金法施行規則第65条第2項各号に掲げる事項を記載したその年金の年金証書を作成し、これを同条第1項で規定される通知書に添えて、その受給権者に交付しなければならない。

正しいです。

ちなみに、各号に掲げる事項とは以下のものとなります。

一 年金の種類及びその年金の年金証書の年金コード

二 受給権者の氏名及び生年月日

二の二 基礎年金番号

三 受給権を取得した年月

選択肢5. 老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、氏名、生年月日及び住所、変更前及び変更後の個人番号、個人番号の変更年月日を記載した届書を、速やかに、日本年金機構に提出しなければならない。

正しいです。

国民年金法施行規則 第20条の2第1項(個人番号の変更の届出)において、「老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、次に掲げる事項を記載した届書を、速やかに、機構に提出しなければならない」とあり、その事項とは以下の通りです。

第1号 氏名、生年月日及び住所

第2号 変更前及び変更後の個人番号

第3号 個人番号の変更年月日

 

まとめ

審査請求の問題は、頻繁に出題されます。

「審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したときは、することができない。

ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。」

といったように、審査請求、再審査請求の期限などもあわせて覚えるようにしましょう。

 

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