社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問65 ((択一式)国民年金法 問5)
問題文
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問65((択一式)国民年金法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
- 年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過すると時効によって消滅するため、障害認定日において、当該障害が、障害等級に該当する程度の障害の状態にない場合で、その後に障害の程度が増進したときでも、障害基礎年金の請求は、当該障害認定日から5年を経過する前に行わなければならない。
- 失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者の子に対する遺族基礎年金は、失踪の宣告を受けた日において子の年齢が18歳に達する日以後の最初の3月31日に達している場合であっても、失踪の宣告を受けた者の所在が明らかでなくなった日が、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間であれば、その日まで遡って受給できる。
- 夫が死亡したことにより遺族基礎年金の受給権を有する妻が、直系姻族と養子縁組したときは、妻の受給権は消滅するが、子に対する遺族基礎年金の支給停止は解除される。
- 遺族基礎年金の受給権を有する子が2人以上ある場合において、その子のうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。
- 失踪の宣告を受けた者に係る消滅時効の起算日は、死亡したとみなされた日の翌日であり、死亡したとみなされた日の翌日から2年を経過した後に、死亡一時金の請求権は時効によって消滅するため、死亡一時金は支給されない。
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この過去問の解説 (2件)
01
正しいのは、
「遺族基礎年金の受給権を有する子が2人以上ある場合において、その子のうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。」
という記述です。
国民年金法では、遺族基礎年金の支給停止・失権・時効などについて細かい決まりがあります。
条文どおりなのは、この「子が所在不明のときの支給停止」の説明だけです。
この記述は誤りです。
・国民年金法では、年金給付を受ける権利(基本的な権利)は「支給すべき事由が生じた日」から5年で時効になります。
・障害基礎年金の場合、この「支給すべき事由が生じた日」とは、実際に障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態になった日です。
つまり、
・障害認定日の時点ではまだ障害等級に該当していない
・その後に障害の程度が重くなって、初めて障害等級に該当した
という「後から重くなる」ケースでは、その重くなった日から5年が時効のスタートになります。
選択肢のように「障害認定日から5年以内でないといけない」としている点が間違いです。
ポイントは、「いつから年金を受ける権利が発生したか」で時効の起算日が変わるということです。
この記述も誤りです。
・失踪宣告を受けた場合、国民年金では受給権が発生する日は『行方不明となった日から7年を経過した日』とされています。
・一方で、子の年齢要件など、身分や生計維持の関係を判断するときには、行方不明となった時点の状況で判断するという特例があります。
この特例のおかげで、
・行方不明になった当時は18歳年度末前だった子が、
・7年後の失踪宣告時にはすでに18歳年度末を過ぎている
という場合でも、「行方不明になった時点」で要件を満たしていれば、遺族基礎年金を受けられる可能性があります。
しかし、それでも
・受給できるのは受給権が発生した日(=行方不明から7年たった日)以後の分
・かつ、未請求期間については最大5年まで遡って支給(時効)です。
選択肢のように、「所在が明らかでなくなった日(行方不明の日)まで遡って受給できる」としているのは行き過ぎで、ここが誤りになります。
この記述も誤りです。
国民年金法の遺族基礎年金の失権事由(受給権が消える理由)では、配偶者・子が養子となったときは原則として受給権が消えますが、次の例外があります。
・直系血族または直系姻族の養子になった場合には失権しない
直系姻族とは、例えば亡くなった夫の父母・祖父母などです。
したがって、
・夫の死亡により遺族基礎年金を受けている妻が、
・夫の父母など直系姻族の養子となった場合
には、妻の遺族基礎年金の受給権は消滅しません。
選択肢は「消滅する」としているので、そこで誤りです。
当然、その前提に基づく「子の支給停止が解除される」という後半も正しくありません。
正しい内容です。
国民年金法42条では、子が複数いる場合の所在不明による支給停止について、次のように定めています。
・遺族基礎年金を受けている子が2人以上いる
・そのうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでない
・このとき、その所在不明の子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請により、所在が明らかでなくなった時に遡って支給停止される
つまり、選択肢の文章は、条文の内容と一致しています。
なお、所在不明による支給停止を受けた子は、いつでも支給再開の申請ができることもあわせて押さえておくと良いです。
この記述も誤りです。
・国民年金法では、年金給付を受ける権利も死亡一時金を受ける権利も、支給すべき事由が生じた日から5年で時効とされています。
・「支給すべき事由が生じた日」は、死亡一時金の場合、被保険者が死亡した日(失踪宣告の場合は、死亡したとみなされた日)です。
したがって、
・起算日が「死亡したとみなされた日の翌日」である点はおおむねイメージとしては近いものの、
・時効期間は2年ではなく5年です。
そのため、「2年経過したから死亡一時金は支給されない」とする部分が誤りです。
今回の問題で押さえておきたいポイントを整理します。
・時効の期間
国民年金の年金給付の権利も死亡一時金の権利も、原則5年で時効です。
起算日は「実際に受給権が発生した日」であり、障害の場合は障害等級に該当した日が基準になります。
・失踪宣告と遺族基礎年金
失踪宣告の場合、
① 年齢・身分などの判定は「行方不明となった日」の状況で見る
② 受給権が発生するのは「行方不明の日から7年後」
という二段構えになっています。
行方不明の日まで遡ってずっと受給できるわけではありません。
・養子縁組による失権の例外
遺族基礎年金では、直系血族・直系姻族の養子になった場合は失権しないという特例があります。
この点を押さえておくと、ひっかけに強くなります。
・所在不明による支給停止(妻・子)
妻や子が1年以上所在不明になったときは、所在が不明になった時まで遡って支給停止する、というルールがあります。
今回は、子が2人以上いる場合の子についての規定(法42条)が正しい選択肢でした。
このあたりは社労士試験でも頻出のテーマなので、「誰が」「どんなときに」「支給停止・失権・時効になるのか」を整理して覚えておくと解きやすくなります。
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02
選択肢5以外はわかりやすい問題だと思いますので、丁寧に問題を解いていってください。
間違い。
障害基礎年金の事後重症の請求は、当該障害認定日から5年を経過する前に行わなければならないというのが間違いです。
初診日と保険料の納付の要件を満たしている者は、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったが、その後65歳に達する日の前日までの間において、障害等級に該当し65歳に達する日の前日までに請求すれば障害基礎年金を受給することができます。
間違い。
行方不明となった日から7年経過した後に死亡したとみなされるので、その日の子の年齢によって支給されるか否かが決まります。
失踪の宣告(民法30条)を受けた日において子の年齢が18歳に達する日以後の最初の3月31日に達している場合は、遺族基礎年金は受給できません。
失踪の宣告は船舶又は航空機の事故以外で行方不明となった場合に適用されます。
間違い。
直系血族又は直系姻族の養子となっても、遺族基礎年金の妻の受給権は消滅しません。
配偶者(今回の設問では妻)の遺族基礎年金の失権は、
・死亡したとき。
・婚姻したとき。
・養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く)。
・生計を同じくする子のすべてが減額改定の事由のいずれかに該当するに至ったとき。
正しい。
設問の通りです。
この規定によって遺族基礎年金の支給を停止された子は、いつでもその支給の停止の解除を申請することができます。
間違い。
死亡したとみなされた日の翌日から2年を経過した後に請求があったものであっても、失踪の宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合には、給付を受ける権利について時効を援用せず、支給することとされています。
平成26年3月27日年管管発0327第2号を参照してください。
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