社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問66 ((択一式)国民年金法 問6)
問題文
ア 老齢基礎年金の支給を受ける権利は、受給資格期間が10年以上ある者が65歳に達した日から老齢基礎年金の請求をすることなく5年を経過した時に消滅する。そのため、72歳に達した時点で、老齢基礎年金を請求し、かつ、繰下げ申出をしないときは、繰下げ増額のない老齢基礎年金の支給を受けることとなる。
イ 保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があったとしても、2年で消滅する。
ウ 被保険者が、国民年金保険料の前納を口座振替によって行うことを申し出る時に、還付発生の場合の振込方法として、あらかじめ振替口座への振込を申し出ておくと、改めて請求しなくても保険料の還付の請求があったものとみなされる。
エ 老齢基礎年金の受給権を有する者であって、かつ、他の年金給付(加給年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金給付(老齢を支給事由とするものを除く。)の受給権者でない者による当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出は、65歳に達する前に行わなければならない。
オ 繰下げ待機中の老齢基礎年金の受給権者が、年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡した場合に、遺族が未支給年金を請求する時は、特例的な繰下げみなし増額は適用されず、年金の支給を受ける権利が時効消滅していない過去5年分に限って支給されることになる。
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問66((択一式)国民年金法 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 老齢基礎年金の支給を受ける権利は、受給資格期間が10年以上ある者が65歳に達した日から老齢基礎年金の請求をすることなく5年を経過した時に消滅する。そのため、72歳に達した時点で、老齢基礎年金を請求し、かつ、繰下げ申出をしないときは、繰下げ増額のない老齢基礎年金の支給を受けることとなる。
イ 保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があったとしても、2年で消滅する。
ウ 被保険者が、国民年金保険料の前納を口座振替によって行うことを申し出る時に、還付発生の場合の振込方法として、あらかじめ振替口座への振込を申し出ておくと、改めて請求しなくても保険料の還付の請求があったものとみなされる。
エ 老齢基礎年金の受給権を有する者であって、かつ、他の年金給付(加給年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金給付(老齢を支給事由とするものを除く。)の受給権者でない者による当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出は、65歳に達する前に行わなければならない。
オ 繰下げ待機中の老齢基礎年金の受給権者が、年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡した場合に、遺族が未支給年金を請求する時は、特例的な繰下げみなし増額は適用されず、年金の支給を受ける権利が時効消滅していない過去5年分に限って支給されることになる。
- (アとイ)
- (アとエ)
- (イとウ)
- (ウとオ)
- (エとオ)
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この過去問の解説 (2件)
01
各記述について解説していきます。
ア
「65歳から5年請求しないと権利が消滅するので、72歳で請求しても繰下げ増額なしになる」という流れが不適切です。
理由は大きく2つあります。
①年金には時効(原則5年)がありますが、実務的には「請求が遅れたら必ずゼロになる」という単純な話ではありません。
②さらに重要なのは、70歳を過ぎてから「本来の年金をさかのぼって受け取る」選択をした場合、一定の条件を満たすと請求の5年前に繰下げの申出があったものとみなして増額した年金を一括で受け取る仕組み(特例的な繰下げみなし増額制度)があります。
そのため「繰下げ増額のない年金になる」と言い切るのは不適切です。
イ
「督促があっても2年で消滅する」は不適切です。
国民年金保険料の時効は原則2年が基本の考え方ですが、督促には時効を更新(いったんリセットして進め直す)する効力があります。
つまり、督促があったのに「それでも必ず2年で消える」とは言えません。
ウ
適切です。
国民年金保険料を口座振替(前納を含む)で申し込む際に、還付が出たときの振込先をあらかじめ振替口座への振込にする形で申し出ておくと、還付が発生したときに別途の還付請求書の提出が必要になるケースを避けられる運用が用意されています。
エ
「繰下げの申出は65歳に達する前に行わなければならない」は不適切です。
老齢基礎年金の繰下げは、基本的に65歳で受け取らず、66歳以後(上限は原則75歳)に手続きして受け取る制度です。
したがって、65歳より前に申出をしないといけない、という決まりではありません。
オ
適切です。
繰下げ待機中に亡くなった場合、
・繰下げ請求は遺族が代わって行えません
・遺族が請求できる未支給年金は、65歳時点の年金額で決定されます
・さらに、請求時点から5年以上前の年金は時効で受け取れません
という取扱いが明示されています。
正解はウとオです。
ウは、前納を口座振替で申し込むときに還付(払い戻し)が出た場合の振込先もあらかじめ指定しておくと、別の手続きなしで還付を受けやすくなる仕組みがあるため成り立ちます。
オは、繰下げ待機中に亡くなった場合、遺族が繰下げ請求を代わりにすることはできず、未支給年金は65歳時点の年金額ベースで、さらに5年以上前の分は時効で受け取れないため成り立ちます。
この問題は、次の2点を押さえると解きやすいです。
保険料は「原則2年」で語られがちですが、督促があると時効が更新されるため、「督促があっても必ず2年で消える」とは言えません。
老齢年金は、繰下げ待機や未支給年金が絡むとややこしいですが、少なくとも遺族が繰下げ請求を代わりにできないこと、そして5年以上前は時効で受け取れないことは重要なポイントです。
以上より、正しいのはウとオの組合せになります。
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02
アは間違い。
設問では、72歳の時点で老齢基礎年金を請求し、繰下げの申出を行っていないので、65歳から67歳までの2年間の老齢基礎年金が時効により消滅してしまうため、設問の者は67歳の時点で老齢基礎年金の繰下げの申出をしているとみなします。
なので、老齢基礎年金の繰下げ増額分(65歳から67歳の2年間分)が支給されます。
イは間違い。
保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があった場合は、時効の更新がされます。
督促がされた時点から、時効が元に戻されます。
ウは正しい。
設問の通りです。
国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書 兼 還付金振込方法(変更)申出書を提出することで国民年金保険料の還付金が発生した場合、口座振替口座に、還付金を振り込むことに同意したことになります。
詳しくは、日本年金機構の口座振替でのお支払いを参照してみてください。
エは間違い。
65歳に達する前に行わなければならないのではなく、正しくは、66歳前に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰り下げの申出をすることができます。
オは正しい。
設問の通り。
例として、
もし設問の者が72歳で死亡した場合、65歳から67歳までの老齢基礎年金は時効で消滅してしまっているので67歳から72歳までの老齢基礎年金が未支給年金が支給されます。
注意として、未支給年金には、繰下げて増加した分の老齢基礎年金ではない老齢基礎年金が支給されます。
正しい組み合わせは、ウとオです。
間違いです。
間違いです。
間違いです。
正しいです。
間違いです。
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