社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問71 ((選択式)労働基準法及び労働安全衛生法 問1)
問題文
1 労働基準法第114条は、( A )は、同法第37条の規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、同条の規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の( B )の支払を命ずることができる旨規定している。
2 最高裁判所は、就業規則として定める給与規程における、出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする旨の条項(以下本問において「本件90%条項」という。)の適用に関し、その基礎とする出勤した日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが労働基準法(平成9年法律第92号による改正前のもの)65条等に反するか等が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働基準法65条は、産前産後休業を定めているが、産前産後休業中の賃金については何らの定めを置いていないから、産前産後休業が有給であることまでも保障したものではないと解するのが相当である。〔…(略)…〕したがって、産前産後休業を取得し〔…(略)…〕た労働者は、その間就労していないのであるから、労使間に特段の合意がない限り、その不就労期間に対応する賃金請求権を有しておらず、当該不就労期間を出勤として取り扱うかどうかは原則として労使間の合意にゆだねられているというべきである。
ところで、従業員の出勤率の低下防止等の観点から、出勤率の低い者につきある種の経済的利益を得られないこととする措置ないし制度を設けることは、一応の経済的合理性を有するものである。上告人の給与規程は、賞与の支給の詳細についてはその都度回覧にて知らせるものとし、回覧に具体的な賞与支給の詳細を定めることを委任しているから、本件各回覧文書〔本件90%条項の適用に関し、産前産後休業については、出勤率算定の基礎とする出勤すべき日数に算入し、出勤した日数には含めない旨を定めた文書〕は、給与規程と一体となり、本件90%条項等の内容を具体的に定めたものと解される。本件各回覧文書によって具体化された本件90%条項は、労働基準法65条で認められた産前産後休業を取る権利〔…(略)…〕に基づく不就労を含めて出勤率を算定するものであるが、上述のような労働基準法65条〔…(略)…〕の趣旨に照らすと、これにより上記権利等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等が( C )場合に限り、公序に反するものとして無効となると解するのが相当である」。
3 事業者は、労働安全衛生法第22条に基づき、健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないが、事業場における自主的な労働衛生管理活動の促進を図るためには、総括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の選任及び職務の励行、衛生委員会の設置及び運営等の労働衛生管理体制の確立を基本とした上で、作業環境管理、( D )及び健康管理並びに労働衛生教育の総合的な実施を図っていく必要がある。
4 労働安全衛生法第42条は、「特定機械等以外の機械等で、別表第2に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、( E )、又は設置してはならない。」と定めている。
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問71((選択式)労働基準法及び労働安全衛生法 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
1 労働基準法第114条は、( A )は、同法第37条の規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、同条の規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の( B )の支払を命ずることができる旨規定している。
2 最高裁判所は、就業規則として定める給与規程における、出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする旨の条項(以下本問において「本件90%条項」という。)の適用に関し、その基礎とする出勤した日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが労働基準法(平成9年法律第92号による改正前のもの)65条等に反するか等が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働基準法65条は、産前産後休業を定めているが、産前産後休業中の賃金については何らの定めを置いていないから、産前産後休業が有給であることまでも保障したものではないと解するのが相当である。〔…(略)…〕したがって、産前産後休業を取得し〔…(略)…〕た労働者は、その間就労していないのであるから、労使間に特段の合意がない限り、その不就労期間に対応する賃金請求権を有しておらず、当該不就労期間を出勤として取り扱うかどうかは原則として労使間の合意にゆだねられているというべきである。
ところで、従業員の出勤率の低下防止等の観点から、出勤率の低い者につきある種の経済的利益を得られないこととする措置ないし制度を設けることは、一応の経済的合理性を有するものである。上告人の給与規程は、賞与の支給の詳細についてはその都度回覧にて知らせるものとし、回覧に具体的な賞与支給の詳細を定めることを委任しているから、本件各回覧文書〔本件90%条項の適用に関し、産前産後休業については、出勤率算定の基礎とする出勤すべき日数に算入し、出勤した日数には含めない旨を定めた文書〕は、給与規程と一体となり、本件90%条項等の内容を具体的に定めたものと解される。本件各回覧文書によって具体化された本件90%条項は、労働基準法65条で認められた産前産後休業を取る権利〔…(略)…〕に基づく不就労を含めて出勤率を算定するものであるが、上述のような労働基準法65条〔…(略)…〕の趣旨に照らすと、これにより上記権利等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等が( C )場合に限り、公序に反するものとして無効となると解するのが相当である」。
3 事業者は、労働安全衛生法第22条に基づき、健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないが、事業場における自主的な労働衛生管理活動の促進を図るためには、総括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の選任及び職務の励行、衛生委員会の設置及び運営等の労働衛生管理体制の確立を基本とした上で、作業環境管理、( D )及び健康管理並びに労働衛生教育の総合的な実施を図っていく必要がある。
4 労働安全衛生法第42条は、「特定機械等以外の機械等で、別表第2に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、( E )、又は設置してはならない。」と定めている。
- 慰謝料
- 厚生労働大臣
- 裁判所
- 作業管理
- 使用者に労働者の仕事と生活の調和にも配慮することを規定している趣旨を実質的に失わせるものと認められる
- 上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる
- 譲渡し、貸与し
- 譲渡し、展示し
- 生産管理
- 遅延損害金
- 同法等に違反する行為に罰則を設けている意味を没却させる
- 都道府県労働局長
- 賠償金
- 販売し、賃貸し
- 販売し、販売のために展示し
- 付加金
- 有害物管理
- 労働基準監督署長
- 労働時間管理
- 労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとしている意味を没却させる
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この過去問の解説 (2件)
01
(A)に入るのは裁判所です。
労働基準法第114条において、未払いの割増賃金(残業代など)があるときに、労働者の請求により、裁判所が未払金に加えて同額の付加金を命じられるとされています。
このため、文章1は次のように完成します。
「労働基準法第114条は、裁判所は、同法第37条の規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、同条の規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の(B)の支払を命ずることができる旨規定している。」
(A)には入りません。
慰謝料は精神的苦痛へのお金で、(A)の位置(命じる主体)には入りません。
(A)には入りません。
厚生労働大臣は行政の立場で制度を動かしますが、第114条のように「未払金+同額」を命令として確定させるのは裁判(裁判所)の役割です。
(A)に入ります。
第114条の「支払を命ずることができる」の主体は裁判所と条文で決まっています。
(A)には入りません。
これは文章3の(D)(作業環境管理・作業管理・健康管理)で使う語です。
(A)には入りません。
これも(C)向けの文章で、(A)ではありません。
(A)には入りません。
これも(C)向けの文章で、(A)ではありません。
(A)には入りません。
これは文章4の(E)のような「してはならない行為」を埋めるための語で、(A)ではありません。
(A)には入りません。
これも(E)向けの語です。
(A)には入りません。
労働衛生の3管理(作業環境管理・作業管理・健康管理)とは別物なので、(A)にも(D)にも合いません。
(A)には入りません。
遅延損害金は支払いが遅れたことによる利息のようなものなので、「だれが命じるか」を入れる(A)には合いません。
(A)には入りません。
これは文章2の(C)のような「どんな場合に無効となるか」を説明する言い回しで、(A)とは役割が違います。
(A)には入りません。
労働局は行政機関で、指導やあっせん等は行えますが、第114条の「同一額の付加金の支払を命ずる」というのは裁判所の役割です。
(A)には入りません。
賠償金も「お金の種類」なので(A)には合いません。
(A)には入りません。
これも(E)向けの語です。
(A)には入りません。
これも(E)向けの語です。
(A)には入りません。
これは「だれが命じるか」ではなく、「何を支払うか」の種類で、文章1では(B)に当たる語です。
(A)には入りません。
これも(A)の位置には入らず、労働衛生の基本用語としては「作業管理」等が中心です。
(A)には入りません。
監督署は調査や是正勧告などをしますが、付加金のような「未払金と同額を支払え」という法的な命令は裁判所が出します。
(A)には入りません。
これも(A)の位置(命じる主体)には合いません。
(A)には入りません。
これも(C)に入りそうな長い表現で、(A)の位置には入りません。
(A)は「だれが命じられるか」という主体を入れる場所なので、選択肢の中では裁判所だけが適合します。
労基法114条のポイントは、未払いの割増賃金などがあると、労働者が請求して、裁判所が未払金に加えて同額の付加金まで命じられる場合がある、という点です。
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02
Aには裁判所が入ります。
まず初めにAの空欄に当てはまる語句選んでいきましょう。
設問の文末に支払いを命ずることができるとあるので、当てはまる語句は、
・厚生労働大臣
・裁判所
・都道府県労働局長
・労働基準監督署長
の4つだと考えられます。
労働基準法において厚生労働大臣と都道府県労働局長、労働基準監督署長の3つは労働基準法97条に規定されている監督機関です。
同法99条において、厚生労働大臣の指揮監督を受ける労働基準主管局長(厚生労働省の労働条件及び労働者の保護に関する事務を行う内部部局)は、都道県労働局長を指揮監督します。
そして、都道府県労働局長は、労働基準監督署長を指揮監督します。
労働基準監督署長は、その所属する職員である労働基準監督官を指揮監督します。
その労働基準監督官の権限は、労働基準法法101条(書類の提出を求めたり、尋問等ができる)と102条(刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務)、103条(附属寄宿舎)に規定されています。
次に労働基準法において裁判所はどのような関わり方をしているのかというと、裁判所が扱う事件の民事事件の種類のひとつに労働審判というものがあります。
その労働審判法第1条に、
「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争に関して、裁判所は、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。」
ということが規定されているので、答えは裁判所になります。
ここでは要点を述べているため、詳細は労働審判法第1条を参照してください。
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