社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問79 ((選択式)労働者災害補償保険法 問4)
問題文
1 遺族補償年金を受けることができる、障害の状態にある遺族の障害の状態について、労災保険法施行規則第15条は、「障害の状態は、身体に別表第1の障害等級の( A )に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、( B )が高度の制限を受けるか、若しくは( B )に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態とする。」と定めている。
2 労災保険法施行規則第36条第1項は、「長期家族介護者援護金は、別表第1の障害等級第1級若しくは第2級の障害補償年金、複数事業労働者障害年金若しくは障害年金又は別表第2の傷病等級第1級若しくは第2級の傷病補償年金、複数事業労働者傷病年金若しくは傷病年金を受けていた期間が( C )以上である者の遺族のうち、支援が必要な者として厚生労働省労働基準局長が定める要件を満たす者に対して、支給するものとする。」と規定している。
3 最高裁判所は、労災就学援護費不支給決定が抗告訴訟の対象となるかが問題となった事件において、次のように判示した。
「労災就学援護費に関する制度の仕組みにかんがみれば、〔労災保険〕法は、労働者が業務災害等を被った場合に、政府が、〔労災保険〕法第3章の規定に基づいて行う保険給付を( D )するために、労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として、保険給付と同様の手続により、被災労働者又はその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる旨を規定しているものと解するのが相当である。そして、被災労働者又はその遺族は、上記のとおり、所定の支給要件を具備するときは所定額の労災就学援護費の支給を受けることができるという抽象的な地位を与えられているが、具体的に支給を受けるためには、( E )に申請し、所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず、( E )の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するものといわなければならない。
そうすると、( E )の行う労災就学援護費の支給又は不支給の決定は、〔労災保険〕法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり、被災労働者又はその遺族の上記権利に直接影響を及ぼす法的効果を有するものであるから、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解するのが相当である。」
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問題
社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問79((選択式)労働者災害補償保険法 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
1 遺族補償年金を受けることができる、障害の状態にある遺族の障害の状態について、労災保険法施行規則第15条は、「障害の状態は、身体に別表第1の障害等級の( A )に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、( B )が高度の制限を受けるか、若しくは( B )に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態とする。」と定めている。
2 労災保険法施行規則第36条第1項は、「長期家族介護者援護金は、別表第1の障害等級第1級若しくは第2級の障害補償年金、複数事業労働者障害年金若しくは障害年金又は別表第2の傷病等級第1級若しくは第2級の傷病補償年金、複数事業労働者傷病年金若しくは傷病年金を受けていた期間が( C )以上である者の遺族のうち、支援が必要な者として厚生労働省労働基準局長が定める要件を満たす者に対して、支給するものとする。」と規定している。
3 最高裁判所は、労災就学援護費不支給決定が抗告訴訟の対象となるかが問題となった事件において、次のように判示した。
「労災就学援護費に関する制度の仕組みにかんがみれば、〔労災保険〕法は、労働者が業務災害等を被った場合に、政府が、〔労災保険〕法第3章の規定に基づいて行う保険給付を( D )するために、労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として、保険給付と同様の手続により、被災労働者又はその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる旨を規定しているものと解するのが相当である。そして、被災労働者又はその遺族は、上記のとおり、所定の支給要件を具備するときは所定額の労災就学援護費の支給を受けることができるという抽象的な地位を与えられているが、具体的に支給を受けるためには、( E )に申請し、所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず、( E )の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するものといわなければならない。
そうすると、( E )の行う労災就学援護費の支給又は不支給の決定は、〔労災保険〕法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり、被災労働者又はその遺族の上記権利に直接影響を及ぼす法的効果を有するものであるから、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解するのが相当である。」
- 3年
- 5年
- 7年
- 10年
- 確保
- 厚生労働大臣
- 第1級
- 第5級以上
- 第8級以上
- 第12級以上
- 代替
- 都道府県労働局長
- 日常生活
- 日常生活又は社会生活
- 付加
- 補完
- 労働
- 労働基準監督署長
- 労働者災害補償保険審査官
- 労働又は社会生活
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この過去問の解説 (3件)
01
Dには「補完」が入ります。
Dに当てはまりそうな語句は、
・確保
・代替
・付加
・補完
の4つだと考えられます。
「労災保険法第3章の規定に基づいて行う保険給付をDするために、労働福祉事業(社会復帰促進等事業)として、保険給付と同様の手続きにより、被災労働者またはその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる」とあります。
この文章から、労災就学援護費が保険給付と同じくらい大切なものとして取り扱われていることが分かります。
次に、4つの語句の意味を見てみると、
・確保は、しっかり維持するとかちゃんと持ちこたえる。
・代替は、同じような別のもの替える。
・付加は、付け加える。
・補完は、足りないところを補う。
意味として合いそうなのは、付加か補完の2つかと考えられます。
Dの空欄に入るものとして、「代替」の別のものに替えるという語句でもなく、「確保」のしっかり維持するという語句でもないと推測できます。
「付加」と「補完」のどちらが正しいのかを判別するために、労働者災害補償保険法第1条の総則についてみてみると、条文の後半に
「労働者の社会復帰の促進、労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的としている」
とあるので、設問の社会復帰促進等事業の労災就学援護費は労働者災害補償保険法の目的にあるものとなっています。
そのため、「付加」よりも「補完」という語句の方がDには適切だと思います。
詳しくは、中央労基署長(労災就学援助費)事件(昭和46年2月6日基発第99号)を参照してください。
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02
(D)に入る語句は、補完です。
労災就学援護費は、労災保険法に基づく保険給付に置き換わるものではありません。
被災した労働者の子どもの学費などを支援し、保険給付だけでは対応しにくい部分を補う制度です。
そのため、「保険給付を補完する」という表現が当てはまります。
完全な文章は、次のようになります。
「労災就学援護費に関する制度の仕組みにかんがみれば、〔労災保険〕法は、労働者が業務災害等を被った場合に、政府が、〔労災保険〕法第3章の規定に基づいて行う保険給付を補完するために、労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として、保険給付と同様の手続により、被災労働者又はその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる旨を規定しているものと解するのが相当である。」
年数を表す語句です。
「保険給付を3年する」という文章にはならないため、(D)には入りません。
期間を表す語句です。
(D)には、「保険給付をどのようにするのか」を表す言葉が入ります。
年数を表しており、「保険給付を7年する」とは表現できないため、当てはまりません。
(C)に入る語句です。
長期家族介護者援護金について、対象となる年金を受けていた期間が10年以上であることを示します。
(D)には入りません。
「必要なものを手に入れ、保つこと」という意味です。
労災就学援護費の目的は保険給付そのものを確保することではなく、保険給付を補うことです。
厚生労働行政を担当する大臣です。
「保険給付を厚生労働大臣する」という文章にはならないため、(D)には入りません。
障害等級を表す語句です。
(D)は「保険給付を○○する」という部分であるため、障害等級は入りません。
(A)に入る語句です。
遺族補償年金を受けられる遺族の障害の状態を示す基準であり、労災就学援護費の役割を表す言葉ではありません。
障害等級の範囲を表しています。
「保険給付を第8級以上する」とはならないため、(D)には入りません。
障害等級に関する語句です。
(D)には、保険給付と労災就学援護費との関係を表す言葉が必要です。
「あるものを別のものに置き換えること」という意味です。
労災就学援護費は、保険給付に代わって支給されるものではありません。
保険給付とは別に、必要な支援を行う制度であるため、「代替」は当てはまりません。
都道府県労働局の長です。
「保険給付を都道府県労働局長する」という文章にはならないため、(D)には入りません。
普段の生活を表す語句です。
保険給付と労災就学援護費との関係を示す言葉ではありません。
生活の範囲を表す語句です。
「保険給付を日常生活又は社会生活する」という文章にはならないため、(D)には入りません。
「もとのものに何かを付け加えること」という意味です。
労災就学援護費は保険給付とは別に支給されますが、判例では、制度の役割を保険給付を補完するものと表しています。
そのため、「付加」は判例の言葉と一致しません。
(D)に入る語句です。
「補完」とは、足りない部分を補い、全体をより完全なものにすることです。
労災就学援護費は、保険給付に置き換わるものではなく、被災労働者やその遺族に必要な就学上の支援を行うことで、保険給付を補います。
(B)に入る語句です。
遺族の障害の状態について、労働が高度の制限を受ける状態などを表します。
(D)には入りません。
(E)に入る語句です。
労災就学援護費の申請を受け、その支給または不支給を決定します。
(D)には、行政機関の長ではなく、制度の役割を表す言葉が入ります。
労災保険給付に関する決定への不服について、審査請求を担当する人です。
「保険給付を労働者災害補償保険審査官する」という文章にはならないため、当てはまりません。
活動の範囲を表す語句です。
労災就学援護費と保険給付との関係を示す言葉ではありません。
(D)に入る語句は、補完です。
労災就学援護費は、労災保険法に基づく保険給付をなくしたり、それに置き換わったりする制度ではありません。
被災労働者やその遺族に就学上の支援を行い、保険給付では対応しにくい部分を補う制度です。
「補完」は不足する部分を補うこと、「代替」は別のものに置き換えることです。
この意味の違いを押さえると、補完を選ぶことができます。
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03
正解は補完となります。
「保険給付を( D )するため」と設問にあります。
以下の4つが候補として考えられます。
・確保
・代替
・付加
・補完
「労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として労災就学援護費を支給することができる旨を規定している」ものという文章から、すべてを挿入して検討してみると、
・保険給付を確保するため労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として労災就学援護費を支給することができる旨を規定している
・保険給付を代替するため労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として労災就学援護費を支給することができる旨を規定している
・保険給付を付加するため労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として労災就学援護費を支給することができる旨を規定している
・保険給付を補完するため労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として労災就学援護費を支給することができる旨を規定している
社会復帰促進等事業として労働災害における保険給付では十分でないという部分を補うためにあると考えたとき、補完が適当であるという答えとなります。
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