社会保険労務士(社労士) 過去問
第57回(令和7年度)
問80 ((選択式)労働者災害補償保険法 問5)

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問題

社会保険労務士(社労士)試験 第57回(令和7年度) 問80((選択式)労働者災害補償保険法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文中の( E )の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1 遺族補償年金を受けることができる、障害の状態にある遺族の障害の状態について、労災保険法施行規則第15条は、「障害の状態は、身体に別表第1の障害等級の( A )に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、( B )が高度の制限を受けるか、若しくは( B )に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態とする。」と定めている。
2 労災保険法施行規則第36条第1項は、「長期家族介護者援護金は、別表第1の障害等級第1級若しくは第2級の障害補償年金、複数事業労働者障害年金若しくは障害年金又は別表第2の傷病等級第1級若しくは第2級の傷病補償年金、複数事業労働者傷病年金若しくは傷病年金を受けていた期間が( C )以上である者の遺族のうち、支援が必要な者として厚生労働省労働基準局長が定める要件を満たす者に対して、支給するものとする。」と規定している。
3 最高裁判所は、労災就学援護費不支給決定が抗告訴訟の対象となるかが問題となった事件において、次のように判示した。
「労災就学援護費に関する制度の仕組みにかんがみれば、〔労災保険〕法は、労働者が業務災害等を被った場合に、政府が、〔労災保険〕法第3章の規定に基づいて行う保険給付を( D )するために、労働福祉事業〔現・社会復帰促進等事業〕として、保険給付と同様の手続により、被災労働者又はその遺族に対して労災就学援護費を支給することができる旨を規定しているものと解するのが相当である。そして、被災労働者又はその遺族は、上記のとおり、所定の支給要件を具備するときは所定額の労災就学援護費の支給を受けることができるという抽象的な地位を与えられているが、具体的に支給を受けるためには、( E )に申請し、所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず、( E )の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するものといわなければならない。
そうすると、( E )の行う労災就学援護費の支給又は不支給の決定は、〔労災保険〕法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり、被災労働者又はその遺族の上記権利に直接影響を及ぼす法的効果を有するものであるから、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解するのが相当である。」
  • 3年
  • 5年
  • 7年
  • 10年
  • 確保
  • 厚生労働大臣
  • 第1級
  • 第5級以上
  • 第8級以上
  • 第12級以上
  • 代替
  • 都道府県労働局長
  • 日常生活
  • 日常生活又は社会生活
  • 付加
  • 補完
  • 労働
  • 労働基準監督署長
  • 労働者災害補償保険審査官
  • 労働又は社会生活

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この過去問の解説 (3件)

01

Eには「労働基準監督署長」が入ります。

 

Eに当てはまる語句として、
・厚生労働大臣
・都道府県労働局長
・労働基準監督署長
・労働者災害補償保険審査官
の4つがあると考えられます。


労働者災害補償保険法では厚生労働大臣は、労働者災害補償保険法施行規則第1条第1項の事務の所轄に規定されているものや、労働者災害補償保険法第49条の2、49条の3等があります。
 

都道府県労働局長は、労働者災害補償保険法施行規則第1条第2項で厚生労働省労働基準局長の指揮監督を受けて事業場の所在地を管轄すると都道府県労働局長の事務を行います。
 

労働基準監督署長は、労働者災害補償保険法施行規則第1条第3項で都道府県労働局長の指揮監督を受けて事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長の事務を行います。
労働基準監督署長が行う事務は、
・保険給付(二次健康診断等給付を除く)
・社会復帰促進等事業のうち労災就学等援護費の支給
・社会復帰促進等事業のうち特別支給の支給
・厚生労働省労働基準局長が定める給付
等があります。
 

労働者災害補償保険審査官は、労働保険審査官及び労働保険審査会法の同法第2条の規定によると、保険給付に関して不服がある者の審査請求の事件を取り扱うとあります。


以上により、設問のEには労働基準監督署長が適切だと考えられます。

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02

正解は労働基準監督署長となります。

 

「支給を受けるためには、( E )に申請」

「( E )の支給決定」

以上の文言から候補となるのは

・厚生労働大臣 

・都道府県労働局長

・労働基準監督署長

・労働者災害補償保険審査官

となります。

 

労働者災害補償保険法施行規則第一条3項に

「労働者災害補償保険等関係事務のうち、保険給付(注1二次健康診断等給付を除く。)並びに社会復帰促進等事業のうち労災就学等援護費及び特別支給金の支給並びに厚生労働省労働基準局長が定める給付に関する事務は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)が行う。」

とあります。

 

注1

ちなみに二次健康診断等給付に関しては、現物給付ですので、請求書は健診給付病院等を経由して提出します。

所轄労働基準監督署長ではなく、「所轄都道府県労働局長」に提出することになります。

 

加えて、

労災就学援護費不支給決定は、公権力の行使として労働基準監督署長が法に基づき、一方的な判断で行うものです。

支給か不支給かによって、被災労働者や遺族が金銭を受け取れるかどうかが決まり、法的地位に直接影響を与えます。

したがって、これは行政事件訴訟法における「行政処分(抗告訴訟の対象)」に該当すると最高裁判所は判示しました。

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03

(E)に入る語句は、労働基準監督署長です。

労災就学援護費を受けようとする人は、所定の申請書を労働基準監督署長に提出します。

労働基準監督署長の支給決定によって、申請者は具体的に援護費を請求できる権利を得ます。

 

完全な文章は、次のようになります。

「被災労働者又はその遺族は、上記のとおり、所定の支給要件を具備するときは所定額の労災就学援護費の支給を受けることができるという抽象的な地位を与えられているが、具体的に支給を受けるためには、労働基準監督署長に申請し、所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず、労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するものといわなければならない。」

選択肢1. 3年

年数を表す語句です。

「3年に申請する」「3年の支給決定」という文章にはならないため、(E)には入りません。

選択肢2. 5年

期間を示す語句です。

(E)には、申請を受けて支給を決定する行政機関の長が入ります。

選択肢3. 7年

年数を表しています。

「7年に申請する」という内容ではないため、当てはまりません。

選択肢4. 10年

(C)に入る語句です。

長期家族介護者援護金について、対象となる年金を受けていた期間が10年以上であることを示します。

(E)には入りません。

選択肢5. 確保

「必要なものを手に入れ、保つこと」という意味です。

「確保に申請する」「確保の支給決定」とはならないため、(E)には入りません。

選択肢6. 厚生労働大臣

厚生労働行政の責任者ですが、判例で示された労災就学援護費の申請先や支給の決定者ではありません。

選択肢7. 第1級

障害等級を表す語句です。

(E)には等級ではなく、労災就学援護費の支給手続を担当する行政機関の長が入ります。

選択肢8. 第5級以上

(A)に入る語句です。

遺族補償年金を受けられる遺族の障害の状態を示す基準であり、申請先を表すものではありません。

選択肢9. 第8級以上

障害等級の範囲を示す語句です。

「第8級以上に申請する」という文章にはならないため、(E)には入りません。

選択肢10. 第12級以上

障害等級に関する語句です。

(E)で問われている行政機関の長には当てはまりません。

選択肢11. 代替

「別のものに置き換えること」という意味です。

申請先や支給の決定者を表す言葉ではありません。

選択肢12. 都道府県労働局長

都道府県労働局の長ですが、判例で示された労災就学援護費の申請先ではありません。

申請を受けて支給または不支給を決定するのは、労働基準監督署長です。

選択肢13. 日常生活

普段の生活を表す語句です。

「日常生活に申請する」「日常生活の支給決定」という文章にはならないため、当てはまりません。

選択肢14. 日常生活又は社会生活

生活や社会での活動を表す語句です。

申請先となる行政機関の長ではありません。

選択肢15. 付加

「何かを付け加えること」という意味です。

(E)には、労災就学援護費の申請を受け、支給を決定する者が入ります。

選択肢16. 補完

(D)に入る語句です。

労災就学援護費は、労災保険の保険給付を補完するための制度とされています。

(E)には入りません。

選択肢17. 労働

(B)に入る語句です。

遺族の障害の状態について、労働が高度の制限を受ける状態などを示します。

申請先を表す語句ではありません。

選択肢18. 労働基準監督署長

(E)に入る語句です。

労災就学援護費を受けようとする人は、労働基準監督署長に申請します。

その後、支給要件を満たしていることが確認され、支給決定が行われると、具体的な支給請求権が生じます。

また、最高裁判所は、この支給または不支給の決定は申請者の権利に直接影響するため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると判断しました。

選択肢19. 労働者災害補償保険審査官

労災保険給付に関する決定に不服がある場合の審査請求を担当します。

最初の申請を受けて労災就学援護費の支給または不支給を決める者ではありません。

選択肢20. 労働又は社会生活

活動の範囲を表す語句です。

「労働又は社会生活に申請する」という文章にはならないため、(E)には入りません。

まとめ

(E)に入る語句は、労働基準監督署長です。

労災就学援護費を受けるためには、支給要件を満たしているだけでは足りません。

労働基準監督署長に申請し、支給決定を受ける必要があります。

その支給または不支給の決定は、申請者が援護費を受けられるかどうかに直接影響します。

そのため、最高裁判所は、労働基準監督署長による決定を抗告訴訟の対象となる行政処分と判断しています。

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